小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ステップ11.やりっぱなしにしない! ~成長のためのふりかえりとフィードバック~

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

2019.05.07愛媛県

フィードバック五箇条

一.まずは相手をほめるべし

 フィードバックは、相手がより良くなることを願ってされるもの。相手を傷つけるためのものではありません。そこで、まずは相手のいいところを探して、ほめましょう。

 人には必ずいいところがあります。そこを認めてもらうことで人は成長することができます。その際どんな小さなことでもいいので「ほんとうに思ったこと、感じたこと」を言いましょう。うそやおべっかを使ってもまったく意味がありません。

二.その上で気になったところを数点に絞る

 いいところを認めた後、気になったところを言いましょう。その際、数に注意!10個も20個もいやなことを言われたら、誰だって聞きたくなくなってしまいます・・・。いくつも気づいたことがあっても、どうしても重要と思われるところに絞って言いましょう。

 また、技術的に差がある場合、相手のレベルに合わせて段階的に伝えていくようにしましょう。技術が上がればおのずから気づくこともあります。技術に差がある時には、その話を相手が必要とするまで『待つ』事も大切です。

三.具体的な話を

 例えば「なんとなくイヤな感じです」などといわれても、言われた方は何のことかわからず、どうしようもありません。「あの時の○○は、私は○○のように見えました」のように具体的に言いましょう。できれば改善提案もしてあげると親切ですね。

「あの場面では○○してみたらいかがでしょう」というように。ただ、具体的な言葉にならいない「気持ち」もあるかと思います。その場合は、「○○したときに、私は○○な気持ちになりました」という様に、自分の気持ちを率直に表してみましょう。

四.「私は・・・」というメッセージであること

 フィードバックはあくまで「自分が感じたことを相手に伝える」という行為です。評価的な言動は控えなければいけません。たとえば「もう少し~すべきだ」などの発言は控えましょう。

 それよりも「あの場面のあれは、私にはこう感じられました」というほうが、相手にとっても受け入れやすいでしょう。また、フィードバックに強制力はありません。

 最終的な判断は相手にゆだねるという「相手を尊重する」スタンスを大切にしましょう。

五.フィードバックは謙虚に聞こう

 四まではフィードバックするほうの心がけでしたが、最後は『される方』の心がまえ。自分のことをとやかく言われるのは、慣れないとイヤなものです。しかしそれは、成長のための大きなチャンスきるだけ謙虚になり、相手の言うことを受け入れ、自分を省みるように心がけてみましょう。

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ステップ11.やりっぱなしにしない! ~成長のためのふりかえりとフィードバック~
フィードバックを受けたら、できるだけ謙虚に受け止めてみよう

失敗を糧にして、成長しよう

 いかがだったでしょうか? ガイドにとってお客さんに喜んでもらうことはとてもうれしいことですし、常に最高のツアーを実施したいと思うものです。

 しかし実際には、いつもうまくいくとは限りません。思わぬ失敗をしたり、予想と違って全然うまく行かなかった、と言うこともあるでしょう。私は、失敗はいくらしても良いと思っています。それをふりかえって改善の材料にすれば、失敗は成長のための糧となります。

  一番いけないのは、失敗をふりかえらずにそのままにしておくこと。これでは成長できません。そしてお客さんに対して毎回同じようなネガティブな対応をし続けることは、いずれ事故やトラブルにつながる可能性もあります。

 ふりかえりとフィードバックは、ガイド個人の成長に著しく貢献してくれます。そして組織のマネージメントという観点からも、リスクを減らしガイドツアー全体の質を高めることにつながります。

 やりっぱなしではなく、丁寧なふりかえりをして、ガイドも組織も共に成長していきましょう。

<過去の連載>
ステップ1 小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ
ステップ2 まち独自の魅力の見つけ方
ステップ3 ガイドのためのフィールド調査 事前に確認しておきたい4つのポイントとは?
ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう
ステップ5 ガイドに必要な「あり方」 大切な3つのスタンスとは
ステップ6 来るのはどんなお客様? 対象者理解に必要な5つの視点
ステップ7 お客さんとのコミュニケーション 自由に意見やアイデアが出る場づくり4つのポイントとは?
ステップ8 小道具の活用 おさえておきたい3つのポイントとは
ステップ9 これだけはすべからず!
ステップ10 こんな時どうする!? ~ガイド中のトラブル&失敗談~

著者プロフィール

菊間彰

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

1974年生まれ。「一般社団法人をかしや」代表理事。環境教育と自然ガイド(インタープリテーション)が専門。ロープワークやナイフワーク、火起こしなどアウトドアスキル全般も得意。20代はじめに猿岩石に影響されバックパッカーとして東南アジアを巡る。その後、富士山麓、沖繩、名古屋、新潟など全国で自然に関わる仕事をしたのち2008年より愛媛県今治市に移住「をかしや」を起業。自然体験のノウハウをベースとした、行政向け、企業向け、一般向け研修を多数実施。「まごころこめて、ほんものを提供する」がモットー。

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