小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ステップ8 ~小道具の活用 おさえておきたい3つのポイントとは~

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

2019.01.31山口県愛媛県

黒布一枚の活用

 3つ目のポイントは「黒布一枚の活用」です。ガイド中、参加者のみなさんに「何かを探してもらう」というアクティビティをすることがあります。そういう時、みなさんに探してもらったものを、黒布の上に広げて紹介してもらうのです。例えば自然系のガイドであれば鳥の羽や色とりどりの葉っぱ、海のガイドであればビーチコーミングで拾ったものを黒布の上に並べてみます。こうすることで対象物をとても美しく見せることができます。

 同様にまちなみガイドでも、ツアーの最後に、お客さんにまちの印象を短いことばや俳句にしたためてもらうことがあります。こういう場合にも黒布は効果絶大です。読み上げてもらった後に、したためた短冊を黒布の上に並べるのです。短冊の白と、背景の黒布のコントラストで言葉をとても印象的に残すことができます。

 黒布一枚の活用は、簡単に取り入れることができて非常に効果の高い手法です。明日のガイドからでも試してみることをぜひおススメします。

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ステップ8 ~小道具の活用 おさえておきたい3つのポイントとは~
黒布一枚の効果その1、葉っぱならべ

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ステップ8 ~小道具の活用 おさえておきたい3つのポイントとは~
黒布一枚の効果その2、ビーチコーミング

小道具を活用して楽しいガイドを!

 いかがだったでしょうか? ただ話すだけでなく、小道具を活用することでガイドがより楽しく、伝わりやすくなります。また、フリップを活用することで話す内容が忘れにくくなるほか、説明手順を要約できるので、しゃべりすぎを防ぐ効果にもつながります。小道具には無限の可能性があるのです。

 みなさんもぜひお気に入りのアイテムを探してみてください。笛や太鼓などの「鳴り物」を用意するのも楽しいかもしれません。きっとガイドがもっともっと楽しくなることでしょう。

<過去の連載>
ステップ1 小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ
ステップ2 まち独自の魅力の見つけ方
ステップ3 ガイドのためのフィールド調査 事前に確認しておきたい4つのポイントとは?
ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう
ステップ5 ガイドに必要な「あり方」 大切な3つのスタンスとは
ステップ6 来るのはどんなお客様? 対象者理解に必要な5つの視点
ステップ7 お客さんとのコミュニケーション 自由に意見やアイデアが出る場づくり4つのポイントとは?

著者プロフィール

菊間彰

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

1974年生まれ。「一般社団法人をかしや」代表理事。環境教育と自然ガイド(インタープリテーション)が専門。ロープワークやナイフワーク、火起こしなどアウトドアスキル全般も得意。20代はじめに猿岩石に影響されバックパッカーとして東南アジアを巡る。その後、富士山麓、沖繩、名古屋、新潟など全国で自然に関わる仕事をしたのち2008年より愛媛県今治市に移住「をかしや」を起業。自然体験のノウハウをベースとした、行政向け、企業向け、一般向け研修を多数実施。「まごころこめて、ほんものを提供する」がモットー。

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