小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ステップ6 ~来るのはどんなお客様? 対象者理解に必要な5つの視点〜
女性が多いと楽しい雰囲気になります
3.男女のバランス
お客さんは男性でしょうか? 女性でしょうか? 男女のバランスを予測しておくことも大切です。なぜならば、一般的に言って男性と女性は反応が異なるからです。多くの場合、男性は左脳で判断するのに対し、女性は右脳で判断すると言われています。もっというと、女性は理屈よりも「楽しいこと」が好きです。ノリも良いことが多いです。
したがってグループの中に女性が多いと、朗らかな、楽しい雰囲気になる傾向があります。もっとも、難しいことを長々としゃべってしまっては楽しい雰囲気もぶち壊しになってしまいます。前回解説したように「楽しい体験=アクティビティ」を活用するなどして、しゃべり倒すのではなく、また理屈だけではなく、楽しい場を作るように心がけてください。女性が多い場合、ノリの良さできっと進行を助けてくれるはずです。
4.まちや歴史や自然など、ガイド対象物への興味関心
あなたのお客さんは、まちや自然、歴史などの対象物への興味関心はどの程度あるでしょうか? これも重要な視点です。興味関心が高ければ当然のことながら積極的にガイドツアーに参加し、あなたの話も喜んで聞いてくれるでしょう。
しかし、すべてのお客さんがそうとは限りません。中にはたまたまガイドツアーに参加した、あるいは職場の研修なので無理やり参加させられた、という方もいらっしゃるかもしれません。そういう場合は、お客さんがツアーや対象物に興味を持っていないため、そのままツアーを続けてもイマイチ盛り上がりにかけることになるでしょう。
こういう場合は、より丁寧な関わり方がガイドに求められます。具体的には、まずは積極的にフレンドリーに話しかけることです。さきほどの子どもの場合と同じですが、多くのガイドは、ツアーに興味のある人と興味のない人がいた場合、興味のある人に向かって語りかけます。その方が反応が良いからです。しかし、これは逆です。興味のある人は、黙っていてもついて来てくれます。ガイドがまず話しかけるべき相手は「興味がなく、つまらなさそうにしている人」なのです。
ガイドは興味のない人に積極的に話しかけ、少しでも興味を持ってもらうように働きかけます。この場合無理やりではなく「私は楽しいと思っていますので、よろしかったら興味を持っていただけませんか?」というようなスタンスで関わります。そのようなスタンスで関わることで、ともすれば疎外感を感じている人も「あ、このガイドさんは私のことも気にしてくれるんだ!」と思うようになり、少しづつ前向きになってくれるものです。
このように、無理やり前を向かせるのではなく、ツアーの中で少しづつ、少しづつ関係性を育みましょう。私の経験上、初めは仏頂面をしていたお客さんが最後には上機嫌で帰られ、その後リピーターになってくださったという例は何回もあります。こういう時こそ「ファンを増やすチャンス!」と思うようにしましょう。
興味がなさそうな人にこそ話しかけましょう
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