小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ5 ガイドに必要な「あり方」 大切な3つのスタンスとは~

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

2018.10.30山口県

ガイドは価値や答えを決めない、答えは一人一人の中にある

 ガイドのスタンス、最後の1つは「答えを決めない」ということです。ガイドさんの中にはとても豊富な知識を持っていて、どんな場面でも事細かに説明してくださることもあります。しかし、お客さんはそれを求めているとは限りません。求められていない情報は、ただの押し付けにしかなりません。必要か否かを決めるのはあくまでお客さんであり、ガイドではありません。

 例えばこんなことがよくあります。ガイドが何か質問しています。

  ガイド 「このお寺はいつ建てられたものか知っていますか?」

     「え……(ぜんぜんわからないけど……)昭和ですかね……?」

  ガイド 「違います(そんなことも知らないのか! 風に)」

  ガイド 「では次、そこのあなた、いつできたか知っていますか?」

     「え、じゃあ大正とかですかね?(いや、知らないし!)」

  ガイド 「違います! 明治の建築です。この寺は明治38年に建立され……(延々つづく)」

 このやりとりを見てどう感じるでしょうか? これではまるでテストです。こんなふうに詰問されたら、それだけで嫌になってしまいますよね。この状況ではガイドが上でお客さんが下であり、知っている人が知らない人に「教える」という構図となっています。おそらく本人は意識していないのですが、この場合はガイドさんの中に「答え」があります。正しい知識を正確に言うことが「正解」なのです。しかしツアーに何を求めてくるかはお客さん次第。ガイドの役割はその期待に応えつつ、まちのファンになってもらうこと。ガイドが価値や答えを決めてはいけません。答えはお客さん一人一人の心の中にあるのです。

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ5 ガイドに必要な「あり方」  大切な3つのスタンスとは~
海に着いたらまず深呼吸。教えるのではなく、海の気持ちよさをみんなで一緒に感じます

すべてはお客さんのために

 いかがだったでしょうか? ガイドにとって大切なことは、お客さん全員がありのままで楽しめる場をつくること。そして他のサービス業と同様にお客さんに尽くすことです。

ガイドは常にお客さんに寄り添い、豊かな時間を一緒に過ごすことを心がけましょう。

 

 

著者プロフィール

菊間彰

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

1974年生まれ。「一般社団法人をかしや」代表理事。環境教育と自然ガイド(インタープリテーション)が専門。ロープワークやナイフワーク、火起こしなどアウトドアスキル全般も得意。20代はじめに猿岩石に影響されバックパッカーとして東南アジアを巡る。その後、富士山麓、沖繩、名古屋、新潟など全国で自然に関わる仕事をしたのち2008年より愛媛県今治市に移住「をかしや」を起業。自然体験のノウハウをベースとした、行政向け、企業向け、一般向け研修を多数実施。「まごころこめて、ほんものを提供する」がモットー。

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