小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ5 ガイドに必要な「あり方」 大切な3つのスタンスとは~

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

2018.10.30山口県

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ5 ガイドに必要な「あり方」  大切な3つのスタンスとは~
近い距離で輪になって、誰もが安心していられる親密な雰囲気をつくります

ガイドは雰囲気と規範づくりを心がける

 ガイドの大きな役割の1つは、「雰囲気をつくる」こと。お客さんは知らないまちで知らない人と一緒に参加して、緊張しているものです。その緊張を解きほぐし、楽しい雰囲気をつくり出すのはガイドの仕事。気さくな声かけをし、お客さん同士がお互いを知り合えるようにさりげなく紹介し、必要であれば緊張を解きほぐすようなアイスブレイク(打ちとけ合いの遊び)を行います。冒頭で紹介したガイド養成講座では、ガイド役である参加者が常にお客さんに声がけをし、丁寧に接し、結果として笑顔が絶えない雰囲気になっていました。

 同時にガイドは「規範」をつくります。例えば子どもが多い場合、元気が良すぎてうるさくなってしまうこともあります。こういう場合には「ほかの人が話している時には聞こう」「ガイドの前には出ない」などのルールを設定します。また、ツアー内容に対してやたらと文句を言ったり、アクティビティで他の参加者が作った作品に対して「たいしたことないな」などと暴言を吐いたりする人もいます。そんな時はガイドがやんわりと注意し、お互いを尊重できる雰囲気へと導きます。それでも文句を言って雰囲気を壊し続ける人には、ガイドは責任を持って対処しなければなりません。時には退場いただくこともあります。

 このようにして、ガイドは参加者全員が平等に安心して楽しめる場を設定します。これを「場の安全保障」といいます。大事なことはその場にいる「全員」が楽しめるようにすること。一部の知識ある人や、逆にアクティブに動ける人しか楽しめないようではいけません。犠牲者を出してはいけないのです。ガイドはお客さん「全員」が「最大限」楽しめるような場づくりを心がけましょう。

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