小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

2018.09.27山口県愛媛県

いざ、アクティビティを実践!

 城下町での下見を経て「My家紋づくり」というアクティビティを決めれば、いよいよ本番です。

 しかし、多くの参加者にとって、家紋や屋根を見ることはそうありませんので、いきなり「家紋をつくろう」と言われてもどうして良いのかわかりません。ガイドは参加者の視点を変えるため、まずはまちにある紋や意匠の意味や由来などを紹介していきます。例えば「『三つ巴』という勾玉のような紋は、魂や水の渦巻く様子を表し、防火の願いを込めて屋根に使われるようになった」というふうに。

 そして同時に、高杉晋作や木戸孝允の生家の前で、彼らの家紋も紹介し、少しずつ参加者の意識を家紋に向かせます。すると面白いもので、次第に参加者自身がまちにあるいろんな家紋を発見できるようになります。

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木戸孝允や高杉晋作の家紋も紹介

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~
高杉晋作生誕地にて

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~
あらかじめ用意しておいた家紋シート

 そんなまち歩きを経て「高杉晋作広場」に到着します。次はこの広場で、オリジナルの家紋というよりは、自己紹介用の家紋風マーク、つまり「My家紋」を考えてもらいます。ゆったりとした時間を取り、あらかじめ用意しておいた「家紋シート」に記入します。今までのまち歩きでインプットした情報を、今度はアウトプットしてもらう。しかも楽しみながら。これにより、まちの印象がより鮮明に残るのです。

 My家紋ができたら、参加者同士で自分の作品を紹介しあいます。ガイドは参加者が緊張しないよう、工夫した点、My家紋に込めた思いなどをさりげなく聞き、気持ちよく発表できる雰囲気づくりに努めます。最も大切なことは参加者がつくった作品に敬意を払い、丁寧に扱うことです。つまりこの時、ガイドは「ファシリテーター」の役割を担うということになります。

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ガイドがファシリテーターとなってみんなの意見を引き出しましょう

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