小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

2018.09.27山口県愛媛県

伝えたいことを体験化しよう

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~
日本の道百選の1つに選ばれた「菊屋横町」には、白い「なまこ壁」が特徴的(写真提供:萩市) 

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~
夏みかんの甘酸っぱい香りが広がる旧家の敷地(写真提供:萩市)

 

 アクティビティの具体例として、今年の8月に山口県萩市の城下町で実施したガイド養成研修を紹介します。萩は1609年に毛利輝元が築城・開府し、約260年間城下町として栄え、今でも往時の雰囲気が残されています。また、明治維新の志士である高杉晋作や木戸孝允の生誕地がある観光地としても知られています。

 こうした歴史を生かしつつ、城下町の魅力をわかりやすく伝えるにはどうしたらいいのか。そのヒントを得ようとまずは研修前に城下町をじっくりと歩きまわり、萩「ならでは」の魅力を探すことにしました。すると城下町には、なまこ壁や瓦屋根、そして萩藩が奨励したという「夏みかん」が庭にある家並みがとても美しく、印象的なことに気付きました。

 この家並みの魅力を研修参加者にも感じてもらいたい。そんなとき、着目したのが「家紋」でした。

 皆さんは普段「家紋」を意識することがありますか? おそらく多くの人が家紋を意識するのは、結婚式などで自分の家の家紋を知る必要がある時くらいなのではないでしょうか?

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~
屋根の上にある「三つ巴紋」や恵比寿様、鯱(シャチ)などめずらしい意匠の瓦

 家紋や紋は古い町並みだけでなく、神社やお寺、あるいは民家の屋根瓦など意外とたくさんあるものです。さらに特徴的な意匠(デザイン)を発見するという楽しみ方もあります。普段は意識しない「家紋」の世界を知り、自分で発見することができたら新しい世界が広がるはず。これはガイドの重要な役割の一つでもある「今まで知らなかった新しい世界の扉を開くこと」にもつながります。

 そう考えて「My家紋づくり」というアクティビティを実施することにしました。まちにある家紋や意匠をじっくりと眺め、そこからインスピレーションを得て自分だけの家紋をつくるという遊びです。

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