ロケ誘致で地域活性化! 地域を巻き込むロケツーリズム

山田実希雑誌『ロケーションジャパン』編集長

2017.02.21

第2回ロケツーリズム協議会レポート

ロケツーリズム
協議会の様子。多くのオブザーバーが参加した

 ロケツーリズム協議会は、ロケ誘致をきっかけに、国内旅行者や2020年東京オリンピック・パラリンピックに伴って増加する訪日外国人を地方へ呼び込むことを目的に、観光庁の呼びかけで発足した。協議会では、地方のロケ受け入れ態勢を整え、観光情報の発信方法を支援する。そして、全4回開催の最後に、協議会の内容をまとめたマニュアルを作成する。

 2016年12月15日(木)、東京都港区で第2回ロケツーリズム協議会が開催された。協議会は株式会社地域活性プランニングの藤崎慎一代表が会長を務め、観光庁職員、東宝や松竹などの映画会社社員、跡見学園女子大学教授らの合計13名で構成されている。オブザーバーには14の都道府県、34の市区町村・地域、28の企業・団体などが参加した。
 第2回協議会のテーマは「ロケ地マップ」で、前半は作成に関する具体的な内容の紹介や、専門的なアドバイスが披露された。後半は、8つに分かれて約1時間のグループワーキングが行われた。
 議論では、
・ロケ地マップをつくる際のシーン写真の使い方
・飲食店をマップに掲載する場合の問題点
・ロケで使われた企業のアピールの仕方
・協力者を増やすにはどうしたらよいか
・県や市が一体となるにはどうすればいいか
などの具体的な質問があり、協議会メンバーやオブザーバーからのアドバイスなどを行った。
 参加するオブザーバーは、ロケ誘致を活用したい意識が高い人々である。具体的な内容を話し合い、専門家たちによるアドバイスが得られるこの場は、ロケ誘致の推進を目指す自治体、企業、団体などにとって、多くのことを得られる貴重な時間となった。

ロケツーリズム
グループワーキングの様子

 1月14日(土)発行の、『ロケーションジャパン79号』にて、第7回ロケーションジャパン大賞が発表された。同賞は、先の4つの指標を細かくポイント化し、合計ポイントが高いロケ地が選ばれる。『君の名は。』の岐阜県飛騨市や、『シン・ゴジラ』の神奈川県川崎市など計21作品がノミネートされた中、大賞に選ばれたのは『ちはやふる』の滋賀県大津市であった。大津市は市と民間が一体となってロケ受け入れを行っており、ロケ地マップの多言語対応、市内や東京都内でのイベント開催などの取り組みが高評価につながった。

(インタビュー・文/井手真梨子)

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取材対象者プロフィール

山田実希

山田実希雑誌『ロケーションジャパン』編集長

広告制作会社でのディレクター、コピーライターを経て、2013年に国内唯一のロケ地情報誌『ロケーションジャパン』の編集長就任。全国を取材する一方で、地域の魅力を効果的に情報発信するためのアドバイザーとしても活動。
主な実績として、「観光庁ロケツーリズム協議会委員」、「ロケーションジャパン大賞審査委員長」、「千葉県いすみ市ブランド選定委員」などがある。

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