岩手県洋野町でのウニのカラ剥き体験実施から見えてきたこと

久宗航太上智大学観光研究会会長

2016.10.21岩手県

岩手県洋野町でのウニのカラ剥き体験実施から見えてきたこと
トゲはさほど痛くないが、折れることもあるためビニール手袋を使用。剥き方は学生ボランティアが丁寧に指導

 2016年5月と6月、上智大学観光研究会が岩手県九戸郡洋野町種市で被災地復興イベント「ウニのカラ剥(む)き体験」を実施した。岩手県県北広域振興局、洋野町、種市南漁業協同組合、株式会社宏八屋、喜利屋、八戸学院短期大学・堤静子ゼミの産官学で連携し、東京などでは体験することが難しい「ウニのカラを剥く」ことを体験してもらう観光として、4日間で約100人の参加者が楽しんだ。そして希望者には、体験会場である「ひろの水産会館UNIQUE(うにーく)」内の軽食屋・喜利屋でご飯を提供し「世界で一つだけの」ウニ丼を作った。

岩手県洋野町でのウニのカラ剥き体験実施から見えてきたこと
「世界で一つだけの」ウニ丼、お米は岩手県産を使用

 洋野町は、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で有名になり「南部もぐりのふるさと」として売り出しているが、その他には全国的に有名な観光名所や特産品はなく、厳しい言い方をすると、「海がキレイ」「自然が豊か」という地方であればほとんどの場所が当てはまるような点しかアピールできていなかった。

 この体験実施の紹介が、産官学連携の取り組みや他の地域や観光地とどう差別化するかという点で、地方自治体の観光政策の一助となれば幸いである。

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