岩手県洋野町でのウニのカラ剥き体験実施から見えてきたこと

久宗航太上智大学観光研究会会長

2016.10.21岩手県

「難しすぎず、やりがいがある」イベントは成功

岩手県洋野町でのウニのカラ剥き体験実施から見えてきたこと
岩手県県北振興局水産部、種市南漁協の皆さんと観光研究会の部員

 運営者として参加したのは、上智大学観光研究会、岩手県県北振興局水産部、洋野町、種市南漁協、株式会社宏八屋、喜利屋、八戸学院短期大学堤静子ゼミであった。
 イベントを実施した4日間では、主に地元の八戸市や県内からの参加者が多かったが、東京や横浜などからも来ていた。終了後にアンケート調査をすると、参加者の6割が「とても楽しかった」、4割が「楽しかった」と回答し「楽しめなかった」「とても楽しめなかった」は一人もいなかった。
 また、自由意見としては「来年もやってほしい」「もっとイベントの回数を増やしてほしい」「学生の笑顔が良かった」など好意的な意見が多かった。  イベント終了後には、観光研究会のTwitterフォロワー数が2倍に増え、地元新聞だけでなく東京のFMラジオ放送局から取材依頼がくるなど注目されるようになった。

洋野町 うに
子どもでも簡単に剥けるように「ウニのカラ剥き器」も用意

目指すは住民も巻き込んだ「産官学民」の体制

 イベントを継続するために必要なことは二つある。
 一つ目は、「産官学」の連携から住民も巻き込んだ「産官学民」の体制にするということである。このイベントを継続するつもりだが、本団体が所属する上智大学は東京にあるため、今後も常に洋野町まで行って「ウニのカラ剥き体験」を行いたいという学生がいるとは限らない。そのため、現地の住民及び地元の大学生もボランティアに参加してもらえるようにしたい。
 また、私の島根県西ノ島町でのワーキングホリデーの経験からも、直接住民と触れ合うことがその土地のリピーター、ファンを増やすということにつながると考えている。

 二つ目は、体験客の人数をさらに増やすということである。将来的には「ウニのカラ剥き体験」の広告代なども経費として計上できるようにしたいが、現段階で計上すると今年度のイベントは赤字になる。しかし、この点も継続性という観点からは望ましくないため、アンケートや外部の意見を参考にしながら、集客方法を考え直す必要がある。

集客アップにつなげるためには

 今後の主な方策としては三つある。
 一つ目は、広報を見直し関東からの体験客を増やすということである。被災地復興支援が最大の目的であるため、関東など東北以外の地域からも来てほしい。今回のアンケート結果から、チラシとメディアでの力の大きさを感じたため、まずは東京の「岩手フェア」など、岩手に関心に持つ人が多い場所でチラシの配布を行うことを考えている。

 二つ目は、JR東日本などと協力して、電車で訪れる観光客を増やすということである。体験会場である「ひろの水産会館UNIQUE」は、JR八戸線種市駅から徒歩8分の好立地だが、昼間は3時間に1本と列車の本数が少なく、今回の体験客も自家用車やレンタカーが多かった。しかし、これも好意的に捉えると、3時間は確実に町にいてもらえるということである。そのため将来的には、体験型観光などで種市駅周辺の魅力を向上させることができたら良いと考えている。また、免許証を持っていない若者や返納したお年寄りにとっても公共交通機関、特に電車は必要である。

岩手県洋野町でのウニのカラ剥き体験実施から見えてきたこと
通勤・通学などに利用されているJR八戸線

 三つ目は、旅行会社にも宣伝し、旅行商品に組みこんでもらうことである。今年の団体客に対しては、予約してもらえれば個人客と別会場で「ウニのカラ剥き体験」が行えるように関係者と話し合い、ホームページで予約を受け付けたが、今年度は私たちから旅行会社に宣伝する余裕がなかった。しかし、来年度以降は全国展開する大企業だけでなく、一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)加盟の東北旅行に強い旅行会社に宣伝しようと考えている。

岩手県洋野町でのウニのカラ剥き体験実施から見えてきたこと
洋野町の復興のシンボル「ひろの水産会館UNIQUE」では、町内で水揚げされた水産物や町内の特産品のほか、南部ダイバーの関連商品などを販売している

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