地域おこし協力隊が円滑に活動し、定着するためには

千田良仁一般社団法人村楽 代表理事

2016.06.01

「地域を変えていく新しい力」地域おこし協力隊とは 最近の動向

 皆さんは「地域おこし協力隊」をご存知だろうか? 地域おこし協力隊とは、「都市住民など地域外の人材を地域社会の新たな担い手として受け入れ、地域力の維持・強化を図る活動」に対して、国(総務省)が特別交付税措置により自治体に財源措置する制度で、2009年に創設された。創設当初は知名度も低く、制度を活用する自治体も少なかったが、2012年にはテレビドラマ『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』で取り上げられるなど徐々に知名度が高まった。2015年から始まった地方創生の動きも相まって、地域おこし協力隊制度を実施する自治体は急増し、2015年度には全国673の自治体で2,625人の隊員が活躍している。

地域おこし協力隊が円滑に活動し、定着するためには

 熱意を持って地域おこし協力隊に就任し、地域コミュニティの活性化、農林漁業の6次産業化や地域ビジネス、着地型観光などの分野で、外部の新しい視点やスキルを活用して地域おこしに取り組んだ多くの成功事例が生まれている。しかし、人間関係の難しさ、行政などの対応への不満、隊員へのフォロー不足など、地域とのミスマッチにより任期途中で辞める人も多くなっている。

 ここでは、地域おこし協力隊を志望する者が地域で円滑に活動を行うために、受け入れ自治体がどのような受け入れ体制や考え方をすればいいかについて説明する。

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