近江商人の「婚礼料理」再現 日本遺産の食PR 

2017.01.10滋賀県

近江商人の「婚礼料理」再現 日本遺産の食PR
中江富十郎の庭園を鑑賞しながら、贅沢な祝い膳を味わえるのが好評

 近江商人の屋敷が多数残る滋賀県東近江市五個荘地区で、このほど商人たちの婚礼で提供された「ハレの料理」が再現された。五箇荘の町並みが「琵琶湖と水辺景観」の構成文化財となったのをきっかけに、同市や観光協会や住民が「東近江水の文化ツーリズム協議会」を設立。食文化を通じて日本遺産をPRしようと、近江商人の「ハレの料理」について半年かけて資料集めや調査を行ってきた。その結果、大正から昭和にかけて、近江商人宅で行われた婚礼の「献立控え」という古文書を元に、膳を変えながら酒を勧める「式三献」という様式の料理を再現した。料理はモロコの田楽やタイの錦巻きなど当時としては貴重な食材をふんだんに使用しているのが特徴。エビフライなどの洋風メニューや台湾産のバナナなど客人を驚かせるサプライズの品などもあり、質素倹約を旨とした近江商人も祝いの席では贅を尽くした料理を提供していたことがうかがい知れる。

 協議会では1月には2回にわたって五個荘金堂町にある中江富十郎の屋敷で、再現した祝い膳(婚礼料理)を食べるというツアーを実施するが、すでに予約で満員だという。3月にも協議会が復元した同じく食文化を伝える漁萬善のツアーを行う予定だ。今後は祝い膳と漁萬善を継続的に実施して観光にも活用していきたいという。

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