スノーモンキーをフックに山ノ内町の温泉街を活性化する「WAKUWAKUやまのうち」

2016.10.27長野県

バックパッカーたちが気軽に宿泊できるホステル

9月にオープンした「ZEN Hostel」。入り口を通ると、ラウンジとバーカウンターの空間に出る
9月にオープンした「ZEN Hostel」。入り口を通ると、ラウンジとバーカウンターの空間に出る

 そして9月には「ZEN Hostel」、10月には「AIBIYA」と宿泊施設が相次いでオープンした。

重厚な装飾の「ZEN Hostel」外観
重厚な装飾の「ZEN Hostel」外観

 「ZEN Hostel」は、他の3施設と異なりWAKUWAKUやまのうちの直営ではなく、新規事業者への賃貸だ。インバウンド向けのマーケティングや海外企業の日本進出をサポートする会社をアメリカで運営していた森田昭仁さんが、このエリアにゲストハウスをオープンするために2016年2月に帰国し、運営会社を設立した。廃業した旅館をリノベーションした「ZEN Hostel」では、外国人観光客が過ごしやすいよう、部屋以外は靴を履いたまま過ごせるようになっている。また、入り口近くにはお酒も飲めるバーやラウンジを設けた。宿泊客のほとんどは外国人で、旅先で出会った者同士がバーで遅くまで語り合う姿が見られる。

 

老舗旅館をリノベーションした「AIBIYA」 提供:WAKUWAKUやまのうち
老舗旅館をリノベーションした「AIBIYA」 提供:WAKUWAKUやまのうち

10月にオープンしたホステル「AIBIYA」の個室。2段ベッドは設けず、落ち着いた空間に 提供:WAKUWAKUやまのうち
10月にオープンしたホステル「AIBIYA」の個室。2段ベッドは設けず、落ち着いた空間に 提供:WAKUWAKUやまのうち

 「AIBIYA」は、山ノ内町出身の西澤良樹さんが運営している。西澤さんは、アメリカのポートランドで宿泊事業を学んだ。ポートランドには、ヴィンテージ家具や現代アートをちりばめた個性的なデザインで人気のエースホテルがあり、まちのカルチャー発信地になっている。

個室の入り口には北信州作家による絞染曼荼羅の暖簾
個室の入り口には北信州作家による絞染曼荼羅の暖簾

 「AIBIYA」では「Escape from travel 旅から離れよう」をテーマに、旅人それぞれのニーズに応じた滞在環境を提供。ゆったりとした3つの共有スペースをはじめ、個室やドミトリーもプライバシーに配慮した造りになっている。個室やドミトリーには、のれんがかけられ、部屋ごとに色が分けられているのも特徴の一つ。暖簾やランプ、革小物などの内装備品には、北信州の作家が制作したものが使用されており、「長野で作られているものにこだわりたい」という西澤さんの思いが伝わる。

岡:この4施設のオープンで、WAKUWAKUやまのうちが「かえで通り」で取り組んできた訪日外国人向けの滞在環境整備(フェーズ1)は完了しました。

 今後は集客や周遊を促す取り組みを進めながら、さらなる休廃業旅館や古民家などの利活用を推進していくという。

1 2 3 4

スポンサードリンク