世界に通用する「フードピクト」で食のおもてなし NPO法人インターナショクナル

菊池信孝NPO法人インターナショクナル代表理事

2016.02.16京都府

おもてなシティを全国へ

フードピクト

 菊池さんは開設後、ワークショップで訪れた飲食店にサイト掲載を呼びかけ、京都市内のホテルや飲食店、観光関係者などを対象に「食のおもてなし」について考えるセミナーを開催して、京都の食へのおもてなしを進める活動を積極的に展開している。

 京都の取り組みをモデルケースに、今後は札幌、大阪、福岡、沖縄にエリアを拡大し、各エリアのウェブサイトを開設して「おもてなシティ」プロジェクトを全国に広げていく予定だ。

 そのため、現在はウェブサイトの機能追加を進めている。対応言語は英語から中国語、韓国語へ広げ、フードピクト付きの多言語メニューを表示させるだけでなく、印刷ができるようにも工夫している。

菊池
「最近は、表示基準を定めていないフードピクトの類似品が増えているため、私たちが開発したフードピクトを標準化させたいと考えています。
 今年度はさらなる認知度を高めるため、全国でセミナーやワークショップ、ウェブサイト掲載へのPRも含めた活動を積極的に展開していきます。2020年のオリンピック・パラリンピックまでに利用店舗を1,300店舗から5万店舗に拡大できればと考えています。
 大都市から地方まであらゆるお店で日常的にフードピクトを目にするようになれば、安心して食事を楽しめる環境になるのではないでしょうか」

 原材料を「何となく知っている」から「誰でもわかる」ようにした菊池さんたちの取り組みは、会話を増やし、いろんな人を笑顔にする。この取り組みが広がるにはまだ時間はかかるかもしれない。しかし、私たちが食についてもっと考えていくようになれば、日本の食のおもてなしは確実に変わることが期待できる。

フードピクト
認知度を高めるため積極的にセミナーを実施

(インタビュー・文/塩田恵理子)

取材対象者プロフィール

菊池信孝

菊池信孝NPO法人インターナショクナル代表理事

1986年大阪生まれ。2005年大阪外国語大学に入学。在学中に経験したイスラム教徒との不自由な食事体験から2006年にインターナショクナルを設立。2009年大阪大学卒業後、広告代理店を経て2010年より専従職員として勤務。2012年には世界経済フォーラムの「Global Shapers」に選出。

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