世界に通用する「フードピクト」で食のおもてなし NPO法人インターナショクナル

菊池信孝NPO法人インターナショクナル代表理事

2016.02.16京都府

京都で食のおもてなしを調査

フードピクト 

 フードピクトの開発・普及というインターナショクナルの活動では、さまざまなプロジェクトが動き出している。
 その一つとして2014年5月には、すべての人が安心して食事ができる観光地づくりを目指す「おもてなシティ」プロジェクトをスタートさせた。
 おもてなシティの場所に選んだのは、有名な観光地で知られる京都。菊池さんは、京都では食のおもてなしができているのかを調査するため、外国人留学生や日本で働く外国人たちに協力してもらい、多様な視点からまちの魅力を再発掘するワークショップ「ジャパンクエスト」を実施したのである。

フードピクト
外国人留学生らと一緒にワークショップ「ジャパンクエスト」を実施

菊池
「ジャパンクエストでは、インドネシア・中国・韓国・シンガポール・日本などさまざまな国の人たちが参加し、食に制限のある人でも利用できるお店を調査しました。京都市の烏丸エリアを中心に、参加者を5つのグループ分けて、まち歩きをしながら約100軒のお店を巡りました。その結果、道路標示の多言語化は進んでも、メニューの多言語化への対応は一部だけ、さらにベジタリアンや食材表示をしているお店は全くありませんでした。京都の食への対応はまだ進んでいない状況でした」

 一方で、このワークショップは食に制限のある人の存在を店にアピールする絶好の機会になった。彼らは食べられるメニューを発見するため、店や同じグループの人たちに原材料を聞き、交流を楽しめたのも大きな成果だった。

 特に外国人や留学生たちが面白いと思ったのは、屋台のからあげや市場で店先に置かれている串刺しで、買ってから食べ歩きできることが魅力だった。しかし、生きたまま売られているカニなどの生鮮食品は奇妙な光景に見えたという。

 各グループは発掘してきた成果を地図にして報告・発表を行った。

 ところが「このまま終わらせるのはもったいない。WEB版を制作しよう!」と京都市内のシステム会社に勤務する参加者が菊池さんに提案してくれた。その結果、企業との共同で外国人旅行者のために食材を表示した京都市内の飲食店を探せるウェブサイト「京都おもてなシティ(現在はJapan Food Guide)」を同年11月に開設した。

 ウェブサイトでは、利用者が、牛肉や牛乳など食べることができない食材、エリア、料理の種類、価格帯を選ぶと、希望に合う店舗と料理写真が提示され、料理名は英語、使用食材はフードピクトで表示される。

Japan Food Guide
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Japan Food Guide
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