世界に通用する「フードピクト」で食のおもてなし NPO法人インターナショクナル

菊池信孝NPO法人インターナショクナル代表理事

2016.02.16京都府

フードピクト採用のメリット

 数年でこんなにも広がったのは何故だろうか。

 フードピクトが全国で採用されている要因を菊池さんは分析する。

菊池
「最近ではインバウンドが増え、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、多様化する食のニーズが顕在化してきたので、お店が食材表示の必要性について真剣に考えるようになったのではないでしょうか」

 店の意識の変化から、国際規格化されたフードピクトの存在を知り、採用した97.6%の店が「何かしらの効果を実感している」という驚きの結果となった。

 菊池さんが実施したアンケートによると、「言葉が通じない、アレルギーを持っているなど多様なお客さまと従業員が料理について正確にコミュニケーションを取れるようになった」「原材料の問い合わせが大幅に減った」「誰が接客しても安心してメニューの説明ができる」など、採用したことで満足の結果につながっている。

フードピクト

菊池
「食材情報を開示すれば、指さしなどの簡単なやり取りで、多様なお客さまのニーズを聞くことができ、おもてなしは十分にできると思います。お店はフードピクト導入の準備として、すべての食材や調味料を把握する作業が必要ですが、メニューの大幅変更をしなくても、今あるものに少しアレンジすれば対応できる場合が多いため、多くのお店に採用していただけたのではないでしょうか」

 すべての食材や調味料を把握する作業は大変だが、店は食材管理の意識が高まり、仕入れる食材に気を使うようになる。結果的に安心できる店として顧客から評価されることにつながっていくのだ。

 私たちがフードピクトを利用するには、公式サイト(http://www.foodpict.com/)から申込み、1店舗につき月額500円(税別)で提供される。12カ月単位の契約だが、おととしから昨年までの利用店舗数は前年比98%増を記録している。 

 もっと多くの店で国際規格化されたフードピクトが導入されたら、より安心できる食のおもてなしが提供できるのではないだろうか。

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