小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ステップ9  これだけはすべからず! 〜ガイドがやりがちな3つのタブーとは〜

菊間彰一般社団法人をかしや代表理事

2019.03.04愛媛県

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ステップ9 これだけはすべからず! ~ガイドがやりがちな3つのタブーとは~
雨の日のガイドはいつもよりテンション高めでいきましょう!

雨の日にやりがちなこと

 2つ目のタブー、それは雨の日によくやってしまうことです。こんなガイドをした、された経験はないでしょうか?

「本日はあいにくのお天気で・・・」

「晴れていればもっと綺麗なんですが・・・」

 ガイドは決してこういう物言いをしてはなりません。なぜか?

 ガイドにとっては見慣れた景色でも、お客さんにとっては一期一会だからです。

 ガイドはいつもそのまちや景色を見ています。一年中ガイドをしているので、一番良い時を知っています。だからお客さんにもっといい景色を見てもらいたいと思いますし、自分のまちへの誇りから「こんなもんじゃない! 本当はもっともっと綺麗なんだ!」という気持ちになるのもわかります。

 しかし、お客さんにとってはどうでしょうか? ほとんどのお客さんはその場所に初めて来ているはずです。きっとわくわくしながらガイドツアーに参加したことでしょう。それなのに「今日はあいにく」とか「晴れていればもっと綺麗」とか言われたらどうでしょうか? おそらく、すごくがっかりするのではないでしょうか? また、雨の日や寒い日などは、ガイドだけではなくお客さんのテンションも下がり、「せっかくきたのに雨か・・・」とがっかりしているかもしれません。それに加えて、ガイドから「あいにく」つまり「今日はあまり良くない」などと言われたら、さらにテンションが下がってしまうことでしょう。

 ではどうしたら良いのでしょうか?

 それは、どんなに状況の悪い時でも「今日が最高のツアー」という演出をすることです。例えば私は、雨の日や状況の悪い時のツアーであれば次のように始めます。

「みなさんはラッキーです! なぜならば、雨は自然やまちなみをとても美しく見せてくれるからです!」

「雨でしっとりと濡れたに瓦には、えも言われぬ情緒があるんです」

 などと言って、最高のツアーを演出します。そうすることによって、お客さんにとっての「特別な1日」にしたいのです。ツアーの規範や雰囲気は、ガイドが作りだすもの。これも本連載で何度も言っていることですが、ガイドはサービス業です。最高の思い出になるよう、ガイドはお客さんにとことん尽くしましょう。

 また、雨の日、条件の悪い日は少しテンションを高めにするのもポイントです。ガイドの元気や楽しそうな雰囲気は、お客さんに必ず伝わりますし、逆もまた然りです。そしてこれには、自分自身を鼓舞し、士気を高める意味合いもあります。「雨の日はテンションをあげる」。このこともぜひ覚えておいてください。

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