「夜の華麗変身女子会ツアー事業」の奮闘記(現在進行形)

北村倫夫北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院教授

2018.10.15北海道

「夜の華麗変身女子会ツアー事業」の奮闘記(現在進行形)
実証デモの風景

ステップ4:実証デモの実施 ~とにかく実験的にやってみる~

 事業の準備段階で最も重視したのは、実証デモ(デモンストレーション)の実施である。デモをやる意義は、携わる人たちの参画意識の醸成、実際にオペレーションできるか否かの見極め、実行課題の「見える化」、経験値の蓄え、PR素材(映像・写真)の入手などである。本事業では、全部で3回のデモを行なった。

 実証デモによって、机上の論では気づかなかったいろいろなことが見えてきた。とにかくアイデアを実験的に試行してみる、これが事業の実現に向けた重要ポイントである。

ステップ5:事業のつくり込み ~分解能を高めてブラシュアップ~

 次のステップは、実証デモの結果や参加事業者の意見を踏まえて、事業の詳細を詰めていったことである。例えば、英語や中国語への翻訳を念頭において、事業のネーミングを考案した。事業の魅力を高めるために「ヘアセット+メイク&飲食」に付加する「+αサービス」(メイクレッスン、衣裳レンタル、ネイル、エステ等)の可能性を検討した。外国人客とのコミュニケーションツール(多言語指差し会話シート等)も作成した。インバウンド顧客ターゲットの絞り込み、飲食店での女子会に提供する料理コースや価格設定なども検討した。事業の広報・PRについては、口コミPRやパブリシティについてアイデアを出した。

 また、本事業の肝は、海外の予約・調整をどのように行うかである。インバウンド向けのサービス事業を展開する際には、必ず予約受付・調整・決済にかかわる外国語による業務が発生する。それを担ってくれるプレミアム北海道と、Web上の予約申込みの方法、顧客予約情報の取扱い、申込み客との調整の仕方、クレジット決済の方法、業務委託料などについて協議を重ね一つひとつ決めていった。

 このように、事業のつくり込み、すなわち分解能を高めて事業をブラシュアップすることが、必要不可欠なプロセスである。

「夜の華麗変身女子会ツアー事業」の奮闘記(現在進行形)
事業の基本スキーム(予約受付・調整段階)

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