外国人観光客にわかりやすいサイン ピクトグラムの使い方
観光先進国のサイン
観光先進国では、このような公共サインの問題をどのように解決しているのでしょうか。その答えをチェコに見てみましょう。首都プラハは、中欧を代表する観光都市です。Wikipediaによれば約120万人の市民が年間4,700万人以上の観光客を迎えているそうですが、チェコの総人口は1,000万人ほどですから、プラハにやってくる観光客のほとんどは、外国からの観光客です。しかし、スラブ系のチェコ語は、それほどポピュラーな言語とはいえませんから、当然「多言語サイン」が使われているはずです。
さて、【写真1】が、そのプラハの中央駅のサインです。一見してわかるとおり、すべてピクトグラムで表示されています。チェコでは、文字(言語)ではなく、このようなピクトグラムによるサインを一般的に使っているのです。
【写真1】プラハ中央駅のサイン。年間4,700万人の観光客を迎えるチェコでは、文字ではなくピクトグラムによるサインを一般的に使っている
考えるまでもなく「サインの多言語化」には、限界があります。「ことば」を増やして世界中からやってくるお客さんに対応しようという考え方に無理があるのです。しかし、世界中、すべての人に通じる「ことば」があるなら、その「ことば」を1つだけ掲示すれば、すべてが解決します。そのためにピクトグラムというものが考えだされたのです。つまり「ことばの壁を低くする」ための「どんなことばを話す人にも対応できる公共サイン」とは「ピクトグラム」によるサインなのです。
このようにプラハでは、多くのサインをピクトグラムに「翻訳」して掲示することにより、一年間に日本全国が迎え入れる外国人観光客の約2倍に達する客を一都市に迎え入れ、スムーズに誘導することができているのです。
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