サイクルツーリズムでしまなみ海道の活性化を目指すシクロツーリズムしまなみ
「自転車神社参拝&レモン尽くしのレモン懐石満喫ツアー」。岩城島で「レモン懐石」を味わう
島の暮らしを体感するガイドツアー
シクロツーリズムしまなみでは、島の暮らしを体感するガイドツアーを定期的に実施している。例えば、ジャコ天やデコポンソフトなど地元名物を味わうプチグルメツアー、ミカン畑で野菜収穫とピザづくりを体験するツアーなどがある。近年ではサイクリングにキャンプやヨガ、海で遊ぶアクティビティ、地場産業などと組み合わせたツアーもある。
エリアはしまなみ海道だけでなく、愛媛県今治市岡村島と広島県呉市を結ぶ「とびしま海道」、弓削島(ゆげしま)、佐島(さしま)、生名島(いきなじま)の3島を結ぶ「ゆめしま海道」、今治市と松山市の道後温泉を結ぶ「はまかぜ海道」に広げ、船や列車と組み合わせたルートで、日帰りや1泊2日などの多彩なツアーを展開している。
これらのツアーでは、ガイドが一緒のため道に迷う心配もなく、パンクなどのトラブルがあっても対応してもらえる。知らなければ見過ごしてしまう店や裏通りなどに立ち寄ることができるので、まちをより身近に感じることができる。
そして島にはお遍路の文化が根付いており、走っていると声をかけられたり、レモンやミカンなどの食べ物をもらうなど、住民からの「お接待」を受けることも魅力である。
参加者のほとんどがサイクリング初~中級者で、年齢層は若い世代から年配までと幅広い。ガイドと一緒に自転車で島をゆっくりと巡りながら、サイクリスト同士、あるいは住民との触れ合いで心が満たされていくツアーである。年に1度、里帰りのように参加する家族や、仕事や日常生活を忘れてリフレッシュしにくる女性など、リピーターも多くいる。
その理由について山本さんはこう分析する。
山本:車と違って自転車の旅は、季節が変われば匂いや景色などの感じ方が全く違うので、飽きることがないんです。また、ガイドの努力も大きいと思います。日ごろから島の住民と交流を重ねて、情報収集をしているんです。『ガイドがいたからこんなに面白い人と出会うことができた』。そういう体験をしてもらうことが、また来たいと思わせるのではないでしょうか。
ガイドは参加者だけでなく住民にとっても重要な役割を果たしている。
山本:ガイドが他地域の人と住民をつなぐことで、新しい交流が生まれ、住民の生きがいや、やりがいにつながり、やがてまちを元気にしていくことになると思います。
現在、シクロツーリズムしまなみのガイドは専従3名、そして休日などに協力してくれる仲間が複数名いる。ガイドは自転車好きであることはもちろん、地域に関心があり、体力や臨機応変な対応力など、たくさんの能力が求められる仕事である。そんなガイドからの意見だけを取り入れてツアーを企画するのではなく、自転車に詳しくないメンバーや参加者の声など、多様な意見を取り入れながら、あらゆる楽しみ方ができる旅を提案しつづけている。
今年の7月15日、16日の2日間で開催した「しまなみ海道キャンプライド」。上島町弓削島のキャンプ場でテント泊し、翌日は今治まで走る
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