DMOとはなにか

高橋一夫近畿大学経営学部教授

2016.08.01

地方創生とDMO

 筆者がDMO(Destination Marketing/Management Organization)という言葉に出会ったのは、4年ほど前にUNWTO(世界観光機関)がまとめた観光地経営に関するレポートを読んだ時である。これをきっかけに欧米のDMOにヒアリングを試み、その組織運営や機能が日本の観光振興組織と大きく違うことに、目から鱗が落ちたような思いであった。

 DMOが脚光を浴びるのは、「日本再興戦略」改訂2015(第二「3つのアクションプラン」ほか)および「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」に記載され、欧米の先進事例も踏まえ、望ましい機能を備えた日本版DMOを早急に育成することを国の政策として位置付けられてからのことである。観光で地方に雇用を生み、人口の増加につなげる役割が与えられたのである。

瀬戸内海の島々。この地域では(一社)せとうち観光推進機構が日本版DMO候補法人に
瀬戸内海の島々。この地域では(一社)せとうち観光推進機構が日本版DMO候補法人に

 

DMO導入の意義

 もちろん各地でのDMOの導入は、国の政策という側面でのみなされているのではない。外国人観光客の誘致・受け入れ体制の強化が必要とされる観光市場の劇的な変化、ICTの活用によるマーケティング(特にプロモーション)の変化、それらに対応しきれず制度疲労を起こし始めた観光行政と観光協会などの従来型の観光振興組織。こうした時代の変化と要請に応える新たな「観光地経営」の主体がDMOだと考えている。

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