海友舎を使いながら残そう! 保全・活用しながら地域の交流拠点として再生、観光資源としての魅力を創出する「ぐるぐる海友舎プロジェクト」
「ぐるぐる」「こつこつ」「わくわく」を合言葉に人々を巻き込んだ活動を展開
ぐるぐる海友舎プロジェクトの活動の軸は「手入れする」「使う」「学ぶ」「発信する」の4つである。
手入れする
月一回、建物の掃除や庭の手入れなどを行って海友舎の維持補修、管理に努めている。掃除はだれでも参加でき、さまざまな人と交流できるのも魅力。
掃除には学生、親子、サイクリストやアーティストなどが参加する
使う
建物のことを知ってほしい、親しみを感じてほしいと、参加型イベント、ワークショップ、会議などさまざまな催しを行い、団体や個人にもギャラリーや貸しスペースとして積極的に貸し出している。マルシェやライブ会場としても使われた。
ギャラリーやイベントスペースとして活用。地域内外の交流を促進する団体や個人に貸し出している
学ぶ
日本近代建築を象徴する木造建築の建物を知ってもらいたいと、建築やまちづくりについて学ぶ勉強会を行ったほか、2カ月に1回見学会を開催(現在は不定期開催)。海友舎の歴史調査も行ってきた。
地元の人々を招いての建築説明会
発信する
イベントやワークショップを通してさまざまな人と交流し、江田島の魅力を発信している。大学生らと周辺のマップを制作し、周辺の散策ツアーも実施した。各地で開催される発表会にも参加して海友舎や江田島の魅力を積極的に広めている。「ぐるぐるエコたわし」などオリジナルグッズの制作販売なども手がける。
アートイベントなどの企画、ワークショップ成果品の配布、海友舎オリジナルグッズの制作販売などを行う
海友舎オリジナル手ぬぐい
定期的な掃除を行って自分たちで手入れしながら、部活動、建物見学会を開催し、そのほかさまざまなイベント、ワークショップ、勉強会などを実施して多彩な魅力を発信してきた。
当初は5人程度で始まったプロジェクトが、使いながら残すという目的のもとさまざまな活動を行うことができたのはユニークなその運営手法にある。「ぐるぐる」「こつこつ」「わくわく」を合言葉に賛同する多くの人を巻き込みながらオープンマインドに活動を広げてきたのだ。
掃除や手入れも活動の一つとして公開するなど誰もが参加でき、関わりやすい仕組みを作ったのである。掃除だけに参加するもよし、イベントに参加するもよし、メンバーとなって日ごろの活動に参加するもよし……。「ぐるぐる」と仲間の輪が広がれば、それだけ知恵やアイデアも生まれる。その仲間たちと「こつこつ」と活動を積み重ねることで、多彩な展開を生み出していったのである。
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