新しいプレーヤーと地域の魅せ方をデザインする 呉市豊町 井上明さん(前編)地域資源を生かしたビジネスモデルづくり
歴史の見える丘公園から見下ろした瀬戸内海の風景(写真提供:広島県)
瀬戸内海のほぼ中央に浮かぶ大崎下島(広島県呉市豊町)。呉市の市街から車で約1時間、いくつもの島と橋を渡る「とびしま海道」の一つで、碧い海と多島美が彩る、ゆったりとした時間が流れる島だ。島の東側にある御手洗地区は江戸時代、北前船が寄港し、参勤交代の船も停泊する潮待ち、風待ちの港町として栄えてきた。江戸から昭和にかけての伝統的な建物が今も人々の暮らしに溶け込む形で残されており、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
この歴史豊かな御手洗地区も昭和に入って海運が衰退すると、島から人々が流出し、往時の賑わいを失い、高齢化が進んでいった。
しかし今、その御手洗に新しい活気が生まれつつある。その仕掛け人は呉市の市街地にIターンしてきた井上明さんだ。御手洗に通いながら、地域課題をビジネスに結びつける形で2011年からカフェや雑貨店など次々と店舗を出店してきた。今では地区の「重伝建を考える会」の事務局長でもあり、地域活性化とともに移住者の受け入れサポートなど幅広い分野で町のプロデュースに取り組んでいる。
井上さんがなぜ御手洗で事業を始めたのか、どのようなビジネス展開やまちづくりを思い描いているのか、御手洗のメインストリートにある井上さん運営の「潮待ち館」でお話をうかがった。
合同会社よーそろ代表 井上明さん
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