日本を覆う女子旅旋風 持続可能な女子旅目的地とは

友原嘉彦四日市大学総合政策学部准教授

2015.08.03島根県

女子旅の登場

女子旅の観光目的地として絶大な人気を誇る出雲大社
女子旅の観光目的地として絶大な人気を誇る出雲大社

 近年、日本のあちこちで女子旅ブームが起こっています。私も職業柄、国内のさまざまな観光地に行くことが多いですが、大きな自治体から小さな自治体まで、どこも趣向を凝らした女子旅用の各種パンフレットが充実しており、「観光の活性化のために女子旅を成功させよう!」と意気込んでいる印象があります。

 ところで、女子旅はいつごろから登場してきたのでしょう。まず、「○○女子(女子○○)」という言い方ですが、これは21世紀早々に登場しました(注1)。このころから現在までさまざまな「○○女子」という言い方が作られてきましたが、国立情報学研究所のデータベースであるCiNiiを見ますと、収録されている最古の「女子旅」をタイトルに含んだ雑誌記事は2011年です。また、各社の女子旅用ガイドブックも2010年ごろに相次いで出版されました。このように、「女子旅」という言葉が世に出回り、ターゲットの1つとしてそれなりに定着してからまだ4年ちょっとくらいしか経っていないのです。

 しかし、「女子旅のようなもの」はそれ以前からありました。「○○女子」が登場する少し前、1990年代の後半から勢力を拡大してきた「るるぶ」や「まっぷる」といったカタログ型ガイドブックを持っていく(に提案される)旅です。詳しくは、現在校正中の論文(注2)で取り上げていますが、このタイプの旅は今もあるものの、「リア充」女子数人で行く「騒がしい旅」という性格が強くみられます。ただ、「女子旅」という語彙が定着してからの女子の旅はこの種の旅ではなく、もう少し「落ち着いた旅」を指すものと考えます。

(注1)「「女子」の意味作用」河原和枝(『「女子」の時代!』馬場伸彦・池田太臣編著、2012年4月、青弓社)
(注2)「高学歴『アラサー』女性の観光」友原嘉彦(四日市大学総合政策学部論集15巻1号)

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