観光まちづくりに「ツアーデザイン」の考えを あわらツアーデザインセンター
人をつなぐデザイン「あわら蟹がらプロジェクト」
ツアーをデザインするというコンセプトからさまざまなプランが動き出している。その象徴となるものの一つが「あわら蟹がらプロジェクト」である。
武田:
「かつて、蟹の殻はゴミでしかありませんでした。しかし、それをたい肥化し、トマトやメロンの栽培という循環型農業に利用したのです。
この事業には、14軒の旅館と4軒の農業者が参加し、ツアーデザインセンターがコーディネートしています。このプロジェクトから、フードツーリズムやエコツアーなどへの展開を目指しています。
現在年2回の「蟹がらツアー(別名:温泉野菜ピクニック)」を開催しましたが、これは、心と身体が元気になる健康体験プログラムで、1回30~40名の募集です。主なプログラムは、早朝ウォーキング~ハウスで蟹がらトマトなどの収穫体験~旅館で元気になる朝食~温泉入浴というもので、日帰りのツアーとして企画しました。
現在センター(観光協会)のスタッフは5名ですが、観光協会の会員が、エコ委員会、魅力創造委員会など、さまざまな委員会をつくって、企画・運営などを行っています。その中に「あわら蟹がらプロジェクト」もあります。
旅館や商業者などの会員に農業者なども加わって事業は運営されており、農業者の中にはU・Iターン者なども含まれています。この方たちは外からのお客さまに近い視点で参加してくれるので、新しい刺激を与えてくれるとともに、観光客のニーズに近い感覚を提供してくれる貴重な存在です」
一つのツアーにコンセプト・ストーリーを与え、さまざまな立場の人たちが集まって膨らませていく。それは地域に根づいたものでなければならない。これまで関わりの少なかった農業者と観光協会会員、旅館経営者間のネットワークづくり、循環型農業からの高品質なフードツーリズムを「蟹がら」を通じて築けたのではないだろうか。
トマト農家で収穫体験
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