マーケティングから地域に観光の力を 下呂温泉観光協会
学生の力で市をひとつに
小坂の滝の一つ、白糸の滝
誘致宣伝委員会には合併前の旧4町1村(下呂、萩原、馬瀬、金山、小坂)の観光協会が加わっている。しかし市内で観光資源として整備されていたのは、県が支援していた「小坂の滝めぐり」や、旧金山町の巨石群と筋骨めぐりなど数カ所だけだった。
瀧会長は長年、各地域の足並みがそろわないことが課題だと考えてきた。
瀧:
「市の予算がつくなら、市全体でやることに意味があります。市全体で眠っている資源を観光化することで、観光の効果が市全体に波及して、お金が落ちる仕組みをつくりたいのです。こういうことをやっているのは、観光の力を利用して、市民生活を向上させるためなのですから」
そこで取り入れた手法が、学生に地域に入ってもらうものだ。株式会社リクルートライフスタイルからの提案を受け「これはいけると思った」という瀧会長。昨年9月、愛知県の大学生24人を5泊6日で招き、旧4町1村を巡りながら研修を行った。
瀧:
「私たちだと“上から目線”になってしまいます。しかし若い子が来ると、気難しい人もにこにこします」
和菓子店での和菓子作り体験や鉱山での蛍石探しツアーなどを、学生の交渉によって初めて観光商品にできた。今年1月、その成果をパンフレットにまとめた。「若い人をこれで増やしました」と瀧会長は話す。
瀧:
「昨年というタイミングだからよかったのでしょう。これができたから、DMOがスムーズにスタートできました」
金山巨石群の岩陰遺跡
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