買ってもらえるお土産品のデザイン
3.ストーリーを伝える
「なまり節ラー油」
なまり節ラー油
「なまり節」とは生のカツオを解体し、蒸したり、茹でたりしたもので、魚が豊富に獲れる地域で食べられてきたドライフードの一種である。「なまり節ラー油」は、その食文化が根づく宮城県気仙沼市の地元高校生が考案し、誕生した商品である。
ラベルには、イラストや方言が入っており、高校生の若々しさが伝わってくる。売り場にはプロジェクトの内容を伝えるポップなどがきちんと用意されている。
人は知っているものを買う時は特に何も考えないが、知らないものを買う時は、色々と読んで情報を吟味してから購入する。その際、手に取った時にストーリーが伝えられるかどうかで、大きな差が生まれてくるだろう。
蔵内之芽組「こいわかめ」
こいわかめ
「こいわかめ」は、東日本大震災で大きな打撃を受けた気仙沼市の蔵内漁港の生産者の方々がワカメ養殖を再開した後に発売した、塩漬けワカメである。ワカメは生の状態では日持ちがしないため、90℃以上の海水でボイルし、冷却後塩漬けして長期間の保存が可能となる。ワカメの形をした透明部分から、中の商品が見え、ストレートに商品が伝わってくるデザインである。
宮城県気仙沼市は東日本大震災で甚大な被害を受けた地域であり、復興を応援したいという気持ちは、お土産品を手に取る人もきっと持っているだろう。お土産品はコミュニケーションの一部である。お土産品を手渡しする時に、その地域のことを相手に伝えられるような情報が備わっていることも重要である。
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