買ってもらえるお土産品のデザイン

福井政弘パッケージデザイナー 武蔵野美術大学通信教育課程講師

2.「わけあり」をあえて前面に出す

「しまんと地栗 渋皮煮」「しまんと地栗 渋皮煮 われ」

しまんと地栗 渋皮煮
しまんと地栗 渋皮煮

 高知県の四万十川流域は、古くから栗の産地として栄えてきたが、生産者の高齢化などにより収穫量が減少し、遊休地や耕作放棄地が増えていた。そこで、山の再生と地場産業の確立を目指すプロジェクトが立ち上がり、栗を使った商品が続々と生まれている。

 その一つ「しまんと地栗 渋皮煮」は、大粒の栗を砂糖だけで煮詰めたもので、250gで3,500円と高級品である。その渋皮煮をつくる過程で煮崩れしたものをお徳用として売り出しているのが、「しまんと地栗 渋皮煮 われ」だ。

しまんと地栗 渋皮煮 われ
しまんと地栗 渋皮煮 われ

 「われ」と書かれたラベルでは、われものと言い切ってしまっていることにインパクトがあり、言葉の響きも面白い。正規品は瓶に入っているのに対し、「われ」は透明な袋にラベルを貼っただけの簡易なつくりで正直さがあり、信用できる印象がある。

 

ふなば農場「funaba farm saved vegetable」ピクルス  

「funaba farm saved vegetable」ピクルス
「funaba farm saved vegetable」ピクルス

「funaba farm saved vegetable」ピクルス
「funaba farm saved vegetable」ピクルス

 北海道にあるふなば農場の「funaba farm saved vegetable」ピクルスは、肥沃な土地で安全・安心に育てられた野菜で、市場出荷のためにサイズが合わなかったものを洋風・和風のピクルスにして販売しているものだ。瓶のラベルには「saved vegetable」と書かれ、規格外の野菜を救うためにつくったことが示されている。

「わけあり品」に惹かれるのには理由がある。スーパーに行くと同じ形で整った野菜しか並べられていないが、昨今はテレビ番組などの影響もあって、本来は捨ててしまうような素材も遜色なく美味しいことは、消費者も気づいているのである。生産者からすると商品にならないようなものも、発想を変えれば、お土産品としてヒットする可能性があるだろう。

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