小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変える伝え方とは
いざ、体験!
四角い枠をフォトフレームに見立て、まちにある魅力を探し出す「三原今昔写真館」
石垣のすぐ横にある自転車置き場
さて、研修本番。作成したアクティビティを参加者の皆さんに体験してもらいます。今回実施したアクティビティは、A4〜A5程度の厚紙で作った四角い枠をフォトフレームに見立て、まちにある魅力的な景色を写真に撮るというもの。名付けて「三原今昔写真館」。実施手順は以下の通りです。
①4~5人一組のグループに分かれ、グループで一つ四角い枠を持つ
②決められた範囲でまちを歩き、グループごとに「過去と現在が入り混じった」面白い場所を探す
③その場所を枠で「写真」として切り取る。構図や写真のタイトルもグループのみんなで考える
④各グループが撮影した今昔写真(風景)を全員で順番に見て回る
⑤参加メンバーの感想を聞き、みんなでシェアする
⑥インタープリターが「実はあの石垣は450年前のお城の石垣です」と伝える
この様な手順で実施します。時間は30分程度。すると何が起こるでしょうか?
まず、参加した皆さんはワイワイガヤガヤとおしゃべりしながら、グループごとに自由にまちを歩くことができます。ガイドと一緒に歩くわけではなく、あくまで自由に主体的にまちの雰囲気を感じ、音を聞き、眺めることができます。ああでもない、こうでもないと言いながら「過去と現在が入り混じった」場所を楽しく探すことになります。そして写真に「切り取る」ために、より対象をじっくりと見ることになるでしょう。その後、グループごとに見つけた場所を紹介してもらいます。参加者自身が発言することで、自分たちが発見したことを再確認することにもなります。
ガイド中に参加者が自由に動けることで、みなさんいきいきした表情を見せてくれます
インタープリターがガイド中にすることは、安全管理と時間の管理、それからやることの説明をして、あとは参加者が自由に楽しみ、発見する過程を見守ることです。そして最後に「実は新幹線ホームを支えているあの石垣は、450年前のお城の石垣です」と伝えるだけ。しかし、その時点で参加者の皆さんはすでにじっくりとまちを歩き、まちを感じ、その過程で古いものと新しいものが共存する風景をごく自然に「自分たちで」発見しています。したがって最後のインタープリターの一言だけで、
「そうか! このまちにはこんなにすごいギャップがあったのか! 面白い!」
と腑に落ちるのです。
スポンサードリンク