誰もが楽しめる旅をサポートするユニバーサルツーリズム 神戸での活動から
共に考える、自ら考える
車椅子使用者の講師と共に公共交通機関を利用する研修
センターは、この活動と同時に、神戸における観光業、宿泊業、飲食店、交通機関などで働く人たちに対する障害者理解を深める研修を始めた。
この研修の特徴は、障害のある講師と共に街に出て、観光地をめぐり食事をするというプログラムにある。これまで障害者と接する機会がなかったという人は、身構え、不安を抱えながら参加するが、障害のある講師と同じ時間を過ごすだけで、注意するべきこと、過剰なサービスは不要であること、などを理解するようになる。
障害のある講師と観光施設を巡り、理解を深める
さらには、これからの観光を担う人材を育てたいと、観光や福祉を学ぶ大学生に、車椅子使用者の視点で神戸の観光を企画するプロジェクトを行った。3つの大学の学生を7グループに分け、車椅子使用者が楽しめる神戸の観光マップ作成を課題とした。
車椅子に乗って街に出掛けた学生グループは、バリアフリーに関係なく観光を楽しんで戻ってきた。坂の多い異人館へは、みんなで車椅子を持ち上げて入った。車椅子使用者だからと断られる場所は少なく、飲食店の店員が入口の段差介助を手伝った。車椅子使用者だから楽しめない場所はない、しかし、安全で効率よい移動ルートは知りたい、エレベーターの場所を分かりやすく示してほしい、など少しの配慮があれば十分楽しめることを学んだ。
神戸北野の異人館に車椅子を担いで入館する
福祉を学ぶ学生は、車椅子の操作方法や介助方法を伝え、観光を学ぶ学生は、マップ作成の技術を伝えた。異分野の学生同士の関わりの結果、7つの魅力的な観光マップが完成し、シンポジウムにて報告を行った。プロジェクトで養われた視点を持ち続けながら、今は社会人としてそれぞれの場面で活躍している。この様子は神戸市のホームページより動画にて見られるようになっている(注4)。
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