誰もが楽しめる旅をサポートするユニバーサルツーリズム 神戸での活動から

糟谷佐紀神戸学院大学総合リハビリテーション学部准教授

2015.04.15兵庫県

自ら語り、発信する

 私は、このプロジェクトをきっかけとして、障害のある講師養成講座と講師派遣を行うユニバーサルサービスアカデミー(注5)というNPO法人を立ち上げた。障害者自身が自らの経験を語ることの効果は非常に大きい。そのためにも障害のある講師は、障害者に関する法制度や歴史、自分以外の障害者についてなど、さまざまな知識を修得する必要がある。毎年、少数ではあるが新たな講師が誕生し、大学や高校の授業などに出掛けている。

 また、講師メンバーの一人である木島英登氏は、海外の障害者に日本のバリアフリー情報を発信するホームページの作成に取り組んでいる。これを見て、日本にやってくる障害のある旅行者は確実に増えている(注6)。

 さまざまな人々によるさまざまな取り組みが、全体として誰でも安心できる旅につながり、そのことが街に変化をもたらし、暮らしている人々への豊かさにもつながっている。このような動きが、全国で、世界でさらに広がっていくことを期待したい。

(注5)ユニバーサルサービスアカデミー
(注6)Japan Accessible Tourism Center 

著者プロフィール

糟谷佐紀

糟谷佐紀神戸学院大学総合リハビリテーション学部准教授

神戸大学大学院工学研究科修士課程修了後、兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所特別研究員、神戸学院大学総合リハビリテーション学部講師を経て、2011年より現職。主な研究分野は、福祉住環境、障害者のための住宅政策、ユニバーサルデザイン(福祉、住環境、住宅政策、ユニバーサルデザイン)。

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