近所で、旅先で、さらに自宅でも。 じわじわ高まるコケの人気。その理由とは?
ここ10年で入門書も増加
ルーペさえあれば手軽に楽しめるコケ観察。しかもコケは、海中と砂漠以外なら世界中どこにでも生えていて、日本だけでも約1,700種のコケが知られている。緑が少ないと思われがちな都市部に住む人でも、近所をちょっと注意深く歩いてみれば、土上や樹幹、ブロック塀などに10種ほどのコケを見つけることができる。誰にとっても身近な存在で、出会いたいと思えばすぐに出会える。この点もコケの大きな魅力といえる。
▲民家の軒先にある鉢植えを覆うハリガネゴケ
そもそも、こういったコケの魅力が広く知られるようになったのは、ここ10年で、コケや植物に詳しくない初心者でも読みやすい入門書が何冊も出版され、その詳しい生態や、ルーペを使った観察のノウハウが一般に周知されるようになったことが大きい。手前味噌だが実例を挙げると、筆者は『コケはともだち』(リトルモア)という初心者向けのコケの本を2011年に書いたのだが、この本は毎年のように増刷され、現在は5刷目。このことからもコケに関心を持つ人が増えていることがうかがえる。
▲2007年発行の『苔とあるく』 (田中美穂著/WAVE出版)は コケ好きのバイブル。この本を かわきりに初心者でも読みやす いコケの本が出版されるよう になった |
▲写真のみならず50種のコケ をキャラクター化して紹介し た『コケはともだち』(藤井 久子著/リトルモア) |
▲苔庭を構成するコケに着目 し、新たな苔庭の楽しみ方を 説いた『苔三昧』(大石善隆 著/岩波書店) |
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