近所で、旅先で、さらに自宅でも。 じわじわ高まるコケの人気。その理由とは?

藤井久子編集ライター、コケ愛好家

2017.04.28

近所で、旅先で、さらに自宅でも。 じわじわ高まるコケの人気。その理由とは?
▲道端のコケを見つめる人々

幾度目かのコケブーム到来?!

「わぁ、森みたい」「こりゃまるでエイリアンだ」「あ、動いた!モコモコになった!」

 老若男女の興奮した声が飛び交う。ある時は木の幹にへばりつき、またある時は地面に這いつくばる。彼らはいったい何をしているのか。案の定、通行人が怪しみながら通り過ぎていくが、彼らは微動だもしない。そして10分、15分ほどした後、ようやく顔を上げて、ゆっくりとまた道の先を進んでいく。

近所で、旅先で、さらに自宅でも。 じわじわ高まるコケの人気。その理由とは?
▲木の周りを取り囲む怪しい人たち

 いったい何の話かというと、じつはこれ、コケ観察会で大変よく見られる光景の様子。
  ※コケ観察会って何?! >>>
     
「はじめてのコケ観察会」参加レポートin水元公園(東京都葛飾区)

 いま、その生育環境と見た目の地味さから「植物界の日陰者」と称されてきたコケの人気がにわかに高まっている。これまでも苔玉や苔盆栽など園芸を主としたコケブームは幾度かあったが、今度はこれまでとはちょっと趣が違うようだ。

近所で、旅先で、さらに自宅でも。 じわじわ高まるコケの人気。その理由とは?
▲公園の一角にしゃがみ込み、ルーペでコケを観察中(東京都葛飾区 水元公園)

 日本各地で開かれているコケの観察会やイベントには世代や性別を問わず、コケに関心がある人が多く集まる。たとえば、ここ5年ほど毎年11月に京都府立植物園で開催されているコケのイベント「苔・こけ・コケ展」は、会期3日間で毎回3,000人以上の来場者があるほどの人気ぶりだ。また、コケが好きな女性たちを指す「コケガール」という言葉も生まれているという。

 10年ほど前からコケ観察を兼ねた散歩・旅・登山が好きで、コケにアツい視線を送ってきた筆者が、最近のコケ事情を紹介する。

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 ▲京都府立植物園で開催されている「苔・こけ・コケ展」。毎年大勢の人で賑わう

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