外国人観光客へ英語で応対する際のポイントとは? ホスピタリティ産業での英語の重要性
地域ごとの慣習・風土・文化に即した対応を ~産学官民との連携~
観光関連団体や事業所の方々はすでにご存知であろうが、例えば、欧米からの外国人旅行者は、農村や寺院に魅力を見いだす傾向があるといわれる。一方、熱帯アジア地域からの方々は、日本の「四季」に惹かれる場合が多いという。また、最近では、インドネシアやマレーシアといった東南アジアから多くの旅行者が訪れ、彼らの多くはイスラム教徒であるため、受け入れ側としては、イスラム教で禁じられている豚肉やアルコール類を使わない食事(ハラール)への対応を考えなければならない。
これらの情報をヒントに事前に準備できる英語表現や対応の仕方は数多くあるだろう。実際、外国人旅行者に対する口頭での応対だけでなく、前述した情報をベースに各地域の特徴に合わせた多言語表記の準備も同時に重要であると考えられる。しかしながら、これらの対応への時間的・費用的制限によって頭を悩ます観光関連団体や事業所も多いかもしれない。
そこで、ぜひ高校や大学など、地域にある「学」と連携することで遅れている対応を進めてもらいたい。学生は、現場の状況を知りたがっている。現場にある課題が提供されれば、「学」がその解決策を「産」・「官」・「民」と連携しながら見いだせる。相互にメリットをもたらす、良いケースになる可能性が高いと考えられる。
世界のホスピタリティ産業の言語は、英語である。まずは、トライアルでも、アクションを起こすことが必要であろう。まさに、“Don’t think. Just do it.”(「考え過ぎず、とにかくやってみよう」)の精神が大事である。グローバル化が進む今、改めて英語学習に目を向け、実行に移す観光従事者や観光を目指す人々が一人でも多く増えることを期待したい。
■著者プロフィール
専門分野は英語教授法(M.Ed. in TESOL, University of Wollongong)、日本語教授法 (Certificate in TJFL, Portland State University)、第2言語習得法、ホスピタリティ教育。
現在、英語・日本語教育を担当するほか、ホテルを視点にしたホスピタリティマネジメントを研究(城西国際大学大学院・THE FUN(現NPO法人THE FUN )によるHospitality Managementプロ育成講座修了) 。学部では、企業へのインターンシップ受け入れや就職支援を主に担当。
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