外国人観光客へ英語で応対する際のポイントとは? ホスピタリティ産業での英語の重要性
観光の場面で使われる英語とは?
留学生とともに地元の食材を調理
では、Set PhrasesやFixed Phrasesにはどのような表現があるのだろうか。例えば、レストランなどの特定の環境下であれば、
“How many persons?”
“Let me show you to your table.”
“Would you care for some coffee or tea?”
などの頻繁に使用されるフレーズが浮かぶ。
また、それ以外の観光業でも
“Do you need help?”
“May I help you?”
”There are some places for… (shopping, hiking, walking, surfing…) around here.”
“Would you like some brochures (more information, souvenirs…) ?”
“You could go to …”
“What would you like to do?”
“We’ re looking forward to seeing you again.”
など多くの表現がある。
観光を目的として訪れる外国人のニーズを引き出す表現は他にも多数あり、できるだけ多く前もって整理し、練習しておくことで、ある程度予想されるシチュエーションには対応できると思われる。
もちろん、話が弾み、話題がそれ以上発展した場合は、より幅広い英語力が必要となってくるであろう。また、継続学習をしていく上で、基本的な文法を知らなければ、言語習得に重要だといわれる「気付き」ができないまま(注3)、暗記以上の進歩は期待できない。
したがって、定型文を覚えて活用してみることにより、自分に何が欠けているのかを体感し、英語のさらなる継続学習を促進するきっかけとすることが大事である。
筆者が勤める大学でも、体を使って、英語を道具として活用するための英語学習の環境を多く設けている。例えば、地元の食材を使って料理し、旬の味を教える授業では、留学生とともに日本人学生が料理を介して何気ないコミュニケーションをとることができる。
コミュニケーションしながら試食
また、セミナーハウスの一角をホテルのフロントとして使い、ホテルでの会話のワンシーンの練習なども行っている。このように、教室から一歩離れ、違った環境で英語を活用する環境づくりは、将来観光業に従事しようとする学生にとって大変重要であると考えられる。観光産業で求められるのはまさに「実践英語」である。可能な限り “Authentic”な(ほんものの)環境での英語学習が必要であろう。
セミナーハウスでの実習の様子
(注3)羽藤由美(2006)『英語を学ぶ人・教える人のために~「話せる」メカニズム』世界思想社』 pp.154-155
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