人と人がつくる地域おこし協力隊のしごと 鳥取県倉吉市関金地区
さらなる関金の資源のPRへ
西河さんのリードもあり、平成26年3月にまとまった関金温泉グランドデザイン検討会報告書には、「コミュニティ」「資源の活用」「働きの場」「子育て・若者をひきつける」の4項目が挙げられた。「コミュニティ」には、住民の交流拠点が必要であること、そこでの取り組みを発信して人を呼び込むことや、温清楼をその拠点として活用する「温清楼プロジェクト」の構想もある。
この実現に向け、検討会参加者有志により「関金しゃあまけ笑会」が立ち上げられた。「しゃあまけ」とは関金の方言で「小生意気な」というような意味だ。改装などについて、市からの補助金も出ることになった。しかし、
「建物に入ると中はボロボロで、改装できるのだろうかと重い雰囲気になりました」と楠本さんは話す。
しかし、こうした困難のときに、西河さん以外にも住民の中で活動を引っ張る存在が現れ始めていた。2015年8月、「しゃあまけ家茶屋」がオープン。土日祝日の昼間に、飲み物やランチを提供し始めた。露天風呂の足湯としての開放も行っている。
西河さんは関金温泉をPRするために、関金の資源のさらなる活用が必要だと感じていた。目を付けたのがわさびだ。
西河:
「他の地域で、わさびが特産だと見せると、環境がいいところなんですねと反応があり、どんどん話が進みます」
西河さんの働きかけもあり、「関金わさび」は2015年8月、県の「地域産業資源」に指定された。西河さんは昨年9月、関金温泉に「わさびカフェ」をオープンした。
西河さんの協力隊の任期はあと1カ月。現在は独立して関金で事業を営む準備を行っている。
西河:
「皆さんが常に温かく見守って、思いやりのある言葉をかけてくれました。私は、ここの一番の魅力は人だと思っています。今後は恩返しをして、地域にお金が流れる、人が来る仕組み作りをしていきたいです」
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