「顔パス」で買い物や食事ができる！　顔認証決済システムの社会実験

2020.10.21富山県

顔認証決済システム

ディスプレイに近づくと歓迎メッセージが表示されるおもてなしサイネージ

　富山市は、「顔パス」で買い物や食事ができるキャッシュレスシステム「顔認証決済システム」の社会実験を10月1日から2021年3月まで実施している。NECの認証ソリューションと、ベリトランスのクレジットカード決済サービスの組み合わせで実現した。NECによると、自治体と連携した社会実験は初めてという。

　仕組みは専用サイトに事前に顔のデータやクレジットカード情報を登録。商品の購入やサービス利用の際、店舗のタブレット端末に顔をかざして顔認証を行ない、登録情報と照合して本人確認ができればクレジットカード情報で支払いが完了する。この顔認証決済が利用できる店舗は富山市中心部と岩瀬地区の飲食店、博物館、土産店、宿泊施設など約30店舗。顔認証データを共通IDとして利用しクレジットカードを紐づけすることで、カードやスマホを提示することなくスピーディーなキャッシュレス決済が可能になる。ホテルの客室前にカメラを設置して鍵がなくても入退室できるなど利便性も向上する見通しだ。加えて富山駅では、登録者がディスプレイの前に近づくと歓迎メッセージが表示されるカメラ付きデジタルサイネージ（電子看板）も設置している。

　なお顔情報などは富山市が管理し、利用した店舗には情報が残らない仕組みという。顔認証決済システムの社会実験を通して、その利便性を事業者や観光者に体験してもらうとともに、観光への影響を検証する。

登録方法の仕組み