訪日観光客向けマナー啓発の動画「Seeing Differently」がラトビア・リガ国際映像祭の国部門で1位を受賞

2020.06.16大阪府

「訪日観光客向けマナー啓発」の動画を公開 お互いの理解を深めよう

訪日観光客向けマナー啓発の動画「Seeing Differently」がラトビア・リガ国際映像祭の国部門で1位を受賞
2020年5月29日に開かれた第13回のラトビア・リガ国際映像祭

 外国人と日本人との相互理解を促すマナー啓発の動画「Seeing Differently」が、ラトビア・リガ国際映像祭の観光地-国部門で1位を受賞した。動画を作成したのは一般社団法人ブリコラージュファウンデーション(大阪市)。

 同法人は、訪日外国人客のマナーを巡るトラブル軽減につなげたいと一般財団法人関西観光本部の事業を受託して制作。動画は路地篇、寺院篇、商店街篇の3本で1分50秒~2分13秒。3つのシーンで登場人物のそれぞれの思いを表示して、多様な視点があることを示し、それぞれがどうあるべきかという考えを促す内容だ。

 審査員からは、「後半で映像が巻き戻されて、他者が自分自身の振る舞いをどんなふうに見ているのかをテストされているみたいで、コンセプトがおもしろい。また、自国の文化における振る舞いが他国では異なることを学べるところも良い」と評価を受けた。

 映像祭に出品した理由について、同法人の吉見淳代さんは、「海外でも異文化コミュニケーションについて共感できるかを確認したかった、消費対象としての観光ではなく、観光を通じて我々は何を学ぶべきなのかを問いたかった」などと話している。

 映像祭には45か国から305本の映画が出品されており、155本の観光短編作品がノミネートされた。作品は審査会で、「視聴者の感情を呼び起こすインパクトがある」「撮影、物語、演技などを通じて、アイデア、メッセージ、または考えを独創的かつ想像的に伝えている」「視聴者の想像力を喚起させている」など5つの審査基準に基づきノミネート作品を採点して評価する。各審査員の採点を集計し、観光商品、観光地-国、観光地-地域、観光地-都市、観光サービスなど9つの部門で受賞者を決定する。

「訪日観光客向けマナー啓発」の動画を公開 お互いの理解を深めよう

 動画を制作したきっかけや今後の活用について、監督・出演を務めたハナムラチカヒロ氏は、「半年前までオーバーツーリズムは観光がもたらす問題となっていたが、そこで生じている問題のほとんどはコミュニケーションの問題である。もちろん物理的にキャパシティーオーバーだったり、ゴミの問題だったり、受け入れ環境の整備も必要だが、オーバーツーリズムにおける問題は、人の認識やコミュニケーションの問題のほうが本質的な課題だと捉えた。そこで、ソリューションではなく、クエスチョンを投げることで、日本人と外国人の双方の盲点や無意識、認識のズレを浮き彫りにできないかと考えていた。次に機会をいただけるようであれば、これからの観光のあり方を本質的に問うようなものを模索したいですね」と話す。

 同法人ではスペインの観光映像祭にも動画を出品しており、9月には結果が発表されるという。

 
リンク:Seeing Differently 

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