小諸の旧脇本陣が宿泊施設「粂屋」としてオープン
帳場(フロント)では歴史ある家具や建具にも注目
書院造りが特徴的な部屋「桐」
長野県小諸市の旧北国沿いに建つ旧小諸宿脇本陣が、観光交流の拠点となる宿泊施設「粂屋(くめや)」として7月、新たにリニューアルオープンした。同市の一般社団法人こもろ観光局が指定管理者として運営する。
旧脇本陣は江戸時代後期に建てられた木造2階建ての建物。本陣に次ぐ宿舎として参勤交代などで大名や家臣が宿泊し、その後は昭和20年代まで旅館「粂屋」として利用されていた。貴重な建物を残したいと2013年度に同市が買い取り、ワークショップなどを経て活用策を検討。地域の人にも利用してもらいながら外国人なども含む新たな観光客誘致の呼び水にしたいと考え、宿泊業や飲食業を兼ねた施設としてオープンした。
梁や欄間など江戸時代の造りを残して改築しており、脇本陣としての趣や風格を感じながら利用できる。客室は5部屋。さらに喫茶のほか、市民が利用できる貸室もあり、観光客との交流や地域の人々が集う拠点としての利用も期待される。
宿泊は金、土、日の週3日の営業で、料金は平日大人2人の利用で1万1千円など。喫茶は午前10時~午後4時の営業で火曜が定休。なお、同市では、「まちなかホテル構想」も視野に入れており、宿が客を囲い込むことをせず、食事や入浴、買い物など町に出て楽しんでもらうよう促し、町全体の活性化にもつなげたいとしている。
江戸時代の旅籠が地域の住民と観光客を結ぶ施設に生まれ変わった
リンク:粂屋
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