アメリカ人船大工が益田市で和船の調査

2018.11.21島根県

アメリカ人船大工が益田市で和船の調査
高津川下流域の船着き場で計測をするダグラスさん

 アメリカ人の船大工であるダグラス・ブルックスさんが、11月19日と20日の2日間にわたり、島根県益田市の高津川下流域で和船の調査を行った。20日はアユ漁を行う高森寛さんが所有する和船を計測。ノートに図面を描き、船の撮影などを行った。高森さんからはアユ漁のことやこの地で20年以上前に行われていた「放し鵜飼い」について話を聞いた。

 その後、現役の船大工について高津川漁業協同組合や関係者などから情報収集したが、高齢化や後継者不足などで、現在はほとんどいなくなっているという。船大工には会えなかったが、高津川下流域で3か所の和船を計測することができた。

 翌日以降は吉賀町を訪れ、その後は、福岡県、大分県、鹿児島県などの和船を調査していく。これまでの調査研究を本にまとめ、再来年には出版したいとダグラスさんは話す。

 ダグラスさんはアメリカのバーモント州在住。大学時代のルームメイトが日本人だったことから和船に興味を持つようになり、1990年に初めて日本を訪れた。新潟県佐渡市の「たらい舟」では、図面がなく、船大工の勘でつくられていることや、高齢化と後継者不足の問題を抱えていたことを知り、船大工の貴重な技術を後世に伝えたいという思いが芽生えた。その後、20回以上日本を訪れ、新潟県、徳島県、山形県、岐阜県など全国各地の船大工に弟子入りをして技法を学び、さまざまな和船を復元してきた。2017年には岐阜県の長良川で鵜飼に使う船を実際につくり、その様子を映像で記録する「鵜飼舟プロジェクト」にも携わった。

アメリカ人船大工が益田市で和船の調査
高さ、幅など約1時間半にわたって計測

アメリカ人船大工が益田市で和船の調査
高森さん(左)から船の技術を学ぶダグラスさん(右)

アメリカ人船大工が益田市で和船の調査

高津川漁業協同組合にて情報収集

 

リンク:船大工 ダグラスブルックス 

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