萩ジオパーク構想推進協議会が「笠山体感ガイドツアー」を実施

2018.11.07山口県

アクティビティその4:石切り場跡を見学しよう

 最後は再び椿群生林を通って、石切り場跡に向かう。潮の香りが漂い、遠くには美しい台形をした「萩六島」と呼ばれる大島、櫃(ひつ)島、肥(ひ)島、尾(お)島、相島、羽(は)島が目に飛び込んできた。まずは絶景を堪能。その後、ガイドからルーペを渡され、黒くてゴツゴツした岩を観察した。ところどころに人工的につくられた大きな四角い穴があることに気付く。最後のポイントでようやく人工的なジオに触れるのだ。

萩ジオパーク構想推進協議会が「笠山体感ガイドツアー」を実施
石工が切り出した跡

萩ジオパーク構想推進協議会が「笠山体感ガイドツアー」を実施
ルーペで観察

 続けてガイドは写真を使い2つの解説をしてツアーを締めくくった。1つ目は「笠山は火山で噴火した溶岩が冷えて固まって形成された」こと、2つ目は「江戸時代、この海岸から石工が切り出した石を舟で城下町まで運び、石垣や墓石、石灯篭などに使われていた」ことである。

萩ジオパーク構想推進協議会が「笠山体感ガイドツアー」を実施
最後に大地と人のつながりをガイドが説明

 お気づきだろうか。最初は自然と直接触れることで親しみを持たせ、それを3つ積み重ねた上で最後に地域のジオポイントと地域の歴史や文化、自然とのつながりを今日の体験をふまえて簡単に話す。大地と人のつながりを実感したことで、「もっと知りたい」「また行ってみたい」という気持ちになった。

 ツアーについての感想を一部紹介する。

〇山口大学4年生の藤井あやかさん、三井智帆さん、大坪広香さんのグループ

「萩の自然を満喫し、充実した1日だった」「椿のアクティビティが萩らしかった」。

〇市内在住の秋穂裕太さん

「市内に住んでいるが石切り場があることを知らなかった。萩の違った魅力に触れることができて良かった」。

〇市内の観光ホテルに勤務する台湾人のリーさん、ソウさん、ユイさんのグループ

「萩の自然を満喫し、充実した1日だった」「萩の景色がとても美しかった」

 菊間講師は「参加者は勉強をしに来ているわけではなく、楽しい時間を過ごすために来ている。だからしゃべりすぎないことが重要だ」と述べている。そうしたガイド手法が見事に実践されていた。さらにツアーを受講生が1日で組み立てたことに驚かされた。

 午後は菊間講師と受講生がツアーの振り返りをした。参加者に二者択一で解答できる質問と自由に発言できる質問をどう使い分けるか、投げかけるタイミングはアクティビティの前か後かなど、今後のツアーで実践したい点を学んでいた。

萩ジオパーク構想推進協議会の白井孝明さんは「ガイド育成は今後も実施し、萩ジオパークの発展につなげたい」と話す。

萩ジオパーク構想推進協議会が「笠山体感ガイドツアー」を実施
ジオの「G」ポーズで講座の最後を締めくくった

(インタビュー/文 塩田恵理子)

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