クラフトめぐりからまちづくりへ 高岡クラフト市場街実行委員長松原博さんに聞く

2015.11.04富山県

イベントからまちを元気にする

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中心市街地の商店街での路上飲食店「タカマチバル」

 どんな人が高岡クラフト市場街を訪れているのだろか。

松原:男女とも多く、年齢も幅広いです。いろいろな人が来てくださるのはありがたい。しかし、誰のためになぜこれをやっているのかをもう少し突き詰めていかなければいけません。

 出発点はクラフト展の活性化だったが、松原さんは市場街をまちづくり活動として考える必要性を指摘する。

松原:地域循環型の経済、そして高岡の恒常的な活性化につなげる必要があります。クラフト展をコアにしながら、その日だけのイベントではなく、もう少しわかりやすくターゲットを決めて広報し、イベントもビジネスなどにつながる仕組みをつくる必要があります。そして地域へ効果を出すために、もっと地場の企業を巻き込みたいし、自治会など地元の住民の方とも連携したいと思います。

 まず地場産業について「いろいろな業種と連携を取って全体が元気になるのが大切」と松原さんは話す。
 例えば県外から多く訪れて宿泊すれば、ホテル業界にもよい影響があるはずだ。こうして効果を相乗させられれば、まち全体が活性化に向かう。そのために「実行委員会が走り回るだけでなく、地場の企業がそれぞれの立場で何ができるか考えてつながっていけば、効果の循環がだんだん速くなるのではないか」と語る。

 今年の市場街では地域の自発的な取り組みも始まった。例えば中心市街地の商店街での路上飲食店「タカマチバル」。また山町筋の「たかおか軒下マルシェ」は、クラフト作家や農産物とその加工品を扱う出店者を若い世代の地域住民が招いた。「市場街で一緒にやりたいと声をかけてもらいました。これまではなかったことです」と松原さん。こうした自主企画が増えれば、より持続的な企画や運営体制への目途がつくようになると考えている。

上:タカマチバル 下:たかおか軒下マルシェ
山町筋の「たかおか軒下マルシェ」

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