温泉街を活性化させ、若い世代を呼び込むために必要なこと

岡田拓也株式会社旅と館 代表取締役

2018.09.10長野県

できることから一歩ずつが活性化への道に

温泉街を活性化させ、若い世代を呼び込むために必要なこと
 「田毎の月」の月を模したアイスクリーム、温泉マークのチョコレートが添えられた風呂ーズン

 どんなことでも言うことは簡単ですよね。難しいのは行動・実行だと思います。私はどちらかというと「まずは実行」するタイプなので、比較的チャレンジすることも多いですが、失敗することも当然多いです。ですが、机の上だけで考えていても何も始まりません。

 「リスクがなければ、とにかく実行」をモットーにしています。失敗しても次回はやり方を少し変えてトライということを繰り返すことが大切だと感じます。

 諦めてしまえばそこで終わりですが、繰り返し調整を図りながら行動することで、必ず「ここだ」という当たりのラインが見えてきます。時間と労力はかかるもので、一発で当たりを引くことなどほとんどありません。

 活性化を実現するにも同じことが言え、一発で解決できれば誰も苦労しないのです。ですから、「1回やってダメだった」ではなくて、「次はどのようにすれば成功するのか?」と、はじめから時間や労力がかかることだと認識した上で、一歩一歩を確実に進んでいくしかないという覚悟を持って取り組んではどうでしょうか。

 私は決して背伸びをせず、できることから、面白いと思えるネタを使って地域のPRにつなげたいと思っています。ネタはないものねだりをするのではなく、「なければ、自分が作る」気持ちで取り組みます。

 温泉風呂(フロ)―ズンもその一つです。このネタが話題となり、地元メディアにも取り上げていただくことがありますが、必ず「戸倉上山田温泉」をキーワードとして入れてもらいます。
 この記事が上がることで自ずと温泉地名をPRでき、宿泊先を探すとき候補にしてもらうことができます。

 宿泊施設に選ばれるには、まずは候補に上がらなければ予約につながりません。あるいは、記憶に留まっていなければ温泉地に人が増えることはないのです。見えにくい地道な活動ではありますが、これが一つ一つの積み重ねであり、人を地域に呼び込むことの大変さでもあると感じています。

固定観念は捨て「よそもの」「若者」「ばかもの」の発想を理解する

 当社が運営する旅館事業やコワーキング事業は、まさに「地域の課題が見つかる」「地域の解決策が見つかる」「機動力のある人とつながれる」「若者が集まる」場所となっており、そのノウハウや情報を集約しながら、また各地に提供もしています。

 今、さまざまな温泉地を訪問し、地域とかかわる仕事で感じることは、「よそもの」「若者」「ばかもの」の考えや意見を集約することではないかということです。

  よそもの・・・地域や組織の縛りなく、感じたままの意見が出せる

  若者  ・・・古い考えに縛られず、行動力と発想が豊か

  ばかもの・・・常識に囚われず、面白おかしくやってのける 

 誘客するターゲットが若い世代の場合、企画を考えるキーパーソンが若いと、若い客層が集まります。それが年配者だと、どうしても年配層にターゲットが向く傾向が強くなります。自分が良いと思うことは同じ世代に伝わりやすいからです。私もできるだけ固定観念は捨て、その世代の考え方や発想を理解していくことで、ときには訴えかけながら情報配信や行動に示すように心がけています。

リンク:株式会社旅と館

リンク:コワーキングスペース&カフェ「アルゴット戸倉」

著者プロフィール

岡田拓也

岡田拓也株式会社旅と館 代表取締役

長野工業高等学校卒業後、1999年戸倉上山田温泉内の旅館に入社。フロント主任・広報責任者を経て2003年大町温泉郷内の旅館に入社。その後、戸倉上山田温泉内の旅館に再入社。宿泊予約部統括責任者(フロント・予約・経理・売店)を務める。2014年個人事業開業(屋号:ダイレクトホームページワン)。2016年コワーキングスペース「アルゴット戸倉」運営開始。2017年8月 「株式会社旅と館」設立(法人化)。長野県信用組合 専門家派遣事業参与、湯田中渋温泉郷内、下諏訪温泉内の旅館経営顧問に就任。

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