東京にいても故郷の力になりたい。楽しく緩く7年目、いわて銀河プラザ応援女子会anecco.(あねっこ)
活動が広がる、家族が増える
現在、anecco. には約30人が在籍する。正規メンバーは、県出身で首都圏に住む女性としており、普段は会社員や、医師、フォトグラファーなどさまざまな仕事をしている。サポーターには「岩手の力になりたい」という思いがあれば誰でも参加することができ、男性や県外出身者なども加わっている。担当がいくつかに分かれており、「おみせがかり」は店の中をわかりやすく案内したり、店内でのイベントを企画したりする。「おしらせがかり」はフェイスブックやブログで情報を発信している。「ものづくりがかり」はパンフレットなどを制作している。代表の小田さんは「おおごえがかり」だ。
2011年12月にはフリーペーパー「anecco.通信」を創刊した。
小田:銀プラには商品が本当にたくさんあるけれど、慣れていないお客様にはその魅力が伝わりにくい部分があるような気がして、岩手の商品を分かりやすく紹介するような冊子をつくろうと思いました。
第1弾は岩手の日本酒を特集。anecco.メンバーおすすめの銘柄や、銀プラの日本酒担当による日本酒選びの豆知識などを掲載した。途中から毎年3月と8月の年2回発行として、今年3月に13号を迎えた。本業がデザイナーであるメンバーがデザインし、原稿もメンバーが書いている。
そして、3月と8月には銀プラで「anecco.デー」を開催している。これはメンバーがおすすめしたい商品を、自分たちで試食をすすめながら販売するものだ。岩手の魅力をフリーペーパーやブログだけではなく、直接伝えたいという思いから2012年8月に始まった。
今年3月の「anecco.デー」では、昨年8月の台風で被害を受けた岩泉町を特集した。岩泉乳業株式会社の「岩泉ヨーグルト」は銀プラでも人気商品で、メンバーにもファンが多かったが、台風で工場が被災し、生産できなくなった。この日は同社専務を招き、製造を継続できた化粧水とサイダーを、訪れる客にメンバーが紹介した。この日にあわせて発行された「anecco.通信」では、メンバーの一人が同社社長らへのインタビューも行っている。他にも、日本酒や和菓子などを、メンバーが試食をすすめながら販売した。店の前での呼び込みなども行った。売り上げの一部は義援金とした。
anecco.メンバーが試食をすすめる
ほかに「anecco.ピクニック(あねピク)」も年1回行っている。銀プラで買い物をして、近所の公園でピクニックをするという「とてもゆるくて楽しい会」(小田さん)。anecco.メンバーを増やすことにもつながっている。今年6月には23人が集まった。
ネックレス、ブローチ、ヘアゴム、チャームなどの種類がある
また、anecco.サポーターの陶芸家を中心に「いわてアクセサリー」も開発した。南部せんべいなどの岩手名物をかたどった陶器をあしらったヘアゴム、ピアスなどのラインナップだ。銀プラの一角に定番商品として置かれるようにもなった。
また「課外活動」として、「さんさ部」のメンバー数人が盛岡に訪れて「さんさ踊り」に参加する活動も行った。さんさ部は県観光ポスターにも協力した。
こうした活動が注目され、昨年8月には初めて外部からの依頼を受け、埼玉県さいたま市の商業施設「ルミネ大宮」で岩手県産品などを紹介するイベント「anecco.プロデュース!トキメクTOHOKU文化体験」を2日間開催した。レストラン街の一角で、メンバーがそれまでに知り合っていた南部鉄器の工房を招いた鋳物体験や、刺し子体験などを行い、好評だったことから今年1月には第2弾も開催された。
メンバーは月1回、平日の夜に定例会を開き、こうしたさまざまなことを打ち合わせている。産休中で幼い子どもを持つ小田さんは、現在はなかなか参加できないが、ビデオ通話をつないで参加している。
小田:毎月、同窓会のような感じでとても楽しいです。岩手県でもいろいろな地域の人が集まってきます。岩手にいたときからつながっていた子もいれば、こちらにきてから知り合った子もいますが、月に1回会う家族が増えていくような感じです。銀プラにいるよと言うと、わっと集まって結束が生まれます。
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