世界のカメラ愛好家に「京の舞妓さん撮影」を提供 ―撮影会とオープンデータによる公開の組み合わせで世界へ発信―
オープンデーターで公開されている舞子さんの写真
花街文化の危機 舞妓さんの減少
京都の素晴らしい伝統文化の一つである花街は、お茶屋、芸妓、舞妓ともに減少が続いています。例えば昭和40年には芸妓538人、舞妓76人だったものが、平成25年には芸妓185人、舞妓64人に減っています。なかでも花街の将来を担う舞妓さんの数が減っているのが大きな課題といえます。
従来の京都、関西エリアを主体とした顧客層だけで花街の再生は厳しく、新たなファン層の開拓を必要としています。
カメラ愛好家が持つ技術やエネルギーを花街再生に生かす
そこで、花街のファンを増やすことを目的に「世界のカメラ愛好家」を主役に、花街文化の魅力を世界に発信していただく仕組みを、オープンデータを活用して構築してきました。観光客全体を対象としていた考え方から、視点を大きく変更したのです。
撮影会とオープンデータによる公開がカメラ愛好家のやる気につながる
舞妓さん撮影会を中心に、シェアリングエコノミー時代の「三方よし(カメラ愛好家、花街、撮影会場)」のビジネスモデルを構築しました。
1)カメラ愛好家に:撮影機会と作品発表の舞台(オープンデータで作品を世界へ公開)を提供
2)花街に :花街の文化を世界へ発信
3)撮影会場に:会場の魅力を世界へ発信
世界のカメラ愛好家へ日本の伝統文化である舞妓さんの撮影会を提供し、さらにオープンデータを活用して広く世界へ発信する発表の舞台を提供しました。
撮影の舞台には京都にある重要文化財や登録有形文化財など、さまざまな場所が使われています。例えばお寺や町家などの場所では、襖絵、廊下、柱、庭、門などが素晴らしい背景となって舞妓さんを引き立たせ、印象的な写真を撮影することができます。
それぞれの舞台には歴史や文化があり、建築物というモノだけではなく、次世代へ引き継いでいくというアツイ想いで維持運営されているヒトがいるのです
実際の撮影会はどんなふうに行われているのでしょうか。流れを簡単にご紹介します。
撮影会では、開始時間になったらすぐに撮影が始まるわけではありません。まずは、撮影会場で車座になっている参加者のもとへ舞妓さんが来てくれるので、花名刺を受け取りながら、ゆっくりと会話を楽しみます。すべての参加者と挨拶を交わしてから、撮影会が始まります。
最初に舞妓さんが舞を披露してくれます。まずは踊りを堪能し、2回目の舞から撮影を始めます。参加者は止めたいポイントで「ストップ」と声をかけ、移動して撮影をします。終わったら「ありがとう」と声をかけ、舞を再開してもらいます。
撮影会の最後は、舞妓さんとツーショットで撮影をすることができます。気軽に舞妓さんと接することができるのが魅力となっています。
撮影会をきっかけに、ある舞妓さんのファンになったり、舞の舞台を見に行く人もいるようです。
撮影会で撮影された写真は著作権処理を条件とするオープンデータ(CC BY-SA(Attribution-ShareAlike):作品の改変を許諾するが、ライセンスの条件は継承する)として提供していただき、写真投稿サイトで無料公開します。
このとき、すべて舞妓さん本人が必ずチェックし、許諾した写真のみを公開します。
さらに、舞妓さんにお気に入りの写真を1枚選んでもらい「舞妓賞」としてコメントを付けてもらいます。こうした舞妓さんとのやりとりが、撮影者の励みにつながっています。(舞妓賞の創設や舞妓さんのコメント機能は、撮影者からの提案で始まりました。)
また、オープンデータとして公開された写真は、ブログ、faceboook、twitter、YouTubeなどで発信することもできます。
だから世界中の人が舞妓さんの姿を見ることができるのです。撮影会写真アップローダ
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