花の最新情報をタクシー運転手たちが写真で伝える  ――「花なび」が発信する京の花情報のイノベーション――

高木治夫京都フラワーツーリズム合同会社プロデューサー /オープンデータによる地方創生アドバイザー

2017.05.17京都府

洗練された花なびアプリの機能

 京都フラワーツーリズムはこれまで、花なびへの取り組みに試行錯誤を重ねてきました。そして、iPhoneアプリ版は、2014年5月のリニューアルにより「和み」と「癒し」を提供する次世代型ナビゲーションアプリへと大きな発展を遂げています。

 アプリを起動すると、まず画面の「カバー写真」が、上に自動スクロールをはじめます。今回の開発のポイントとしては「自動スクロールする」ことにこだわってきました。ユーザが画面を動かす必要はありません。アプリを立ち上げるだけで、色とりどりの京の花たちが、まるで雅楽の調べのようにゆったりとディスプレイを彩っていきます。

 カバー写真の花情報は、鮮度の高いもの優先で随時更新されます。アプリを起動するたび、少しずつ花の写真が増え、毎日徐々に表情を変える京の花の様子や季節の移ろいを、どこにいても楽しむことができるのです。

 京都フラワーツーリズムは、花なびを通じて「花を愛でるやすらぎのひとときをユーザに届ける」ことをコンセプトとして、常に進化させ続けています。

花の最新情報をタクシー運転手たちが写真で伝える ――「花なび」が発信する京の花情報のイノベーション――
花なびのカバー写真は上に向かって自動でスクロールする。

※充実の操作方法を最終ページに掲載していますので、ぜひご参照ください。

情報発信の担い手

 花の見頃を知らせる情報は常に新鮮でなければなりません。システム開発のプロがコンテンツを構築し、観光ガイドのプロがエリアの情報提供をおこなうだけでは不十分です。

 花なびにおいて情報発信の中心的な担い手となっているのは、観光タクシーのドライバーたちなのです。地域の魅力に精通した人々によって、日々新鮮な花情報が寄せられています。

 地域に親しい情報発信者による旬の花の写真は、「いつ・どこで・誰が撮影した」というラベルを添えて、公開されます。花なびがユーザから高い信頼を得た背景には、「新鮮な情報が提供される」ことに加えて「情報発信の担い手の顔が見える」ことがあるといえます。

花の最新情報をタクシー運転手たちが写真で伝える  ――「花なび」が発信する京の花情報のイノベーション――花の最新情報をタクシー運転手たちが写真で伝える ――「花なび」が発信する京の花情報のイノベーション――

花なびはメディアなどでも取り上げられ、地域の人のやりがいにもつながっている。開発から7年以上が経過した現在でも、アプリを開くとカバーには最新の花の写真が100枚以上も掲載されている

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