「蟹に合う酒」 地域の酒米で醸した純米酒と港の名物のマリアージュが魅力を倍増! 味わいの向こうに、地域を見える化
冬の日本海、味の王様「蟹」。境港「味処美佐」 料理撮影 味処美佐店主・濱野政和
純米酒とまちの名物を掛け合わして魅力倍増!
海のお宝で、港に観光客を一番呼べるのは冬の日本海の蟹だろう。
ぷりぷりとやわらかな身にうま味と甘味がたっぷり含まれ、ハサミや脚、甲羅みそ、内子(卵巣)など、部位で味も変わる。
食べ方もさまざまで、刺身、茹で、蒸し、焼き、揚げ、鍋と調理方法も多彩。部位、調理方法の違いで、楽しみ方もさまざま。
だが、合わせる酒のペアリングというと難しい。
さて、ひとことで「蟹」といってもいろいろある。 松葉ガニ、越前ガニ、間人ガニなど有名なブランド蟹は、実は同じズワイガニの雄だ。
同じ海で獲れても、水揚げ港によって名前が変わる。漁期も場所により異なる。富山県以西では、ズワイガニの漁期は11月6日~翌年3月20日まで。限定期間ゆえに、観光と強く結びつく。
うま味と甘味がつまった蟹
ズワイガニの頭に「紅」と名が付く蟹が、ベニズワイガニ。文字通り全身紅色で、水深800m以上の深海にすむ。
その水揚げ量日本一が鳥取県境漁港だ。
ベニズワイガニ=地元では略して「ベニ」の漁期は、9月1日~6月30日。
ズワイガニより長い期間、夏場の2カ月以外はずっと食べられるが、あまり知られていない。
深海にすむため鮮度落ちが早く、漁期が長く、また、知られていないので値段も安い。
ズワイガニより下に見られがちだが、扱いの良いベニならば、ズワイガニよりも甘味が強く、ジューシィ感も引けを取らない。そんなプレミアムなA級クラスのベニが、最近、見直されてきた。
鳥取県境漁港。ベニズワイガニ水揚げ量日本一。港が紅色に染まる
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