「蟹に合う酒」 地域の酒米で醸した純米酒と港の名物のマリアージュが魅力を倍増! 味わいの向こうに、地域を見える化
米力を伝えたい! 上質な米が日本を救う
純米酒は米の価値を最大化すると考え、応援しはじめてから20年以上経つ。
農薬や化学肥料をなるべく使わない田んぼを増やすことは、自然環境を守ることにつながる。それにぴったりなのが、日本酒用の酒米だ。
酒米は原生種に近く、背丈が高いため倒れやすい。農薬や化学肥料に頼るような栽培では、いい酒米はできない。高い技術力が問われるが、その分、高価格で取引される。
「1日1合 純米酒」
現在の日本酒の約8割は、“蒸留されたアルコール入りの醸造酒”だ。醸造酒に蒸留酒? とはおかしな話だが、醸造酒の日本酒に、蒸留酒が入っている。それが市場の主流だ。
日本酒の原料は、基本「米と水」だが、副原料が混じっている酒が全体の8割にものぼる。添加される蒸留酒は外国産で、原料のトレースをとることが難しいアルコール。
そんな外国産の蒸留酒を、地域の米と水で醸した「日本」の冠がついた醸造酒「日本酒」に、混ぜたくないと私は思う。
米が余り、生産調整がとられているが(2018年に減反廃止)、20歳以上の国民が、「1日1合の純米酒」を飲めば、減反分100万haの田んぼが必要になり、減反の必要がなくなる。
一杯の酒から、田んぼが想像できないことが問題。
日本酒は副原料が入ったまずいものが多く、飲み放題では絶対にろくな酒が出ない。
ゆえに、「まずい=日本酒」の図式があり、頭が痛くなるからと手を出さない人が多い。
だが、おいしい酒は感動するほど美しい。そこに価値を見い出したい。田んぼの未来は酒米にあると思うからだ。
田んぼが果たす大事な役割
田んぼには貯水効果がある。CO2の削減にもつながり、夏は暑さを抑えてくれる。生き物が繁殖する環境を復活させることで、自然環境も保たれる。
「環境に優しい農地、人と自然が共生していける連続性ある農地が、水田です」と、静岡で酒米「誉富士」を育種した宮田祐二さんが教えてくれた。
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