その扉一緒に開けます! 三沢のアメリカンバーを案内する「Misawa Night Hoppers」

木滝奈央Misawa Night Hoppers代表

2017.03.08青森県

その扉一緒に開けます! 三沢のアメリカンバーを案内する「Misawa Night Hoppers」
店内が満席の場合は、外で酒を楽しむのもまた一興

 三沢基地を有する青森県三沢市は、外国人が集うアメリカンバーが点在するが、観光客や地元住民からは「興味はあるが勇気がなくて入れない」という声が上がっていた。
 バーでの楽しみ方を知っていた木滝奈央(きたき・なお)さんは、仲間と共に夜のまち歩き団体「Misawa Night Hoppers」を立ち上げ、週3日(木・金・土)、アメリカンな雰囲気を楽しんでもらうためのツアー「Bar Hopping(バー・ホッピング)」を実施している。
 その取り組みは三沢の新しい観光資源として、メディアや行政などからも注目されている。 ツアーを始めた経緯や楽しみ方について木滝さんに話を伺った。

観光客のニーズから夜のまち歩き団体「Misawa Night Hoppers」が誕生

 太平洋に面し、豊かな自然に恵まれた青森県三沢市は、古くから馬産地として栄え、人々は馬産や漁業を生業としていた。しかし太平洋戦争後に旧日本海軍飛行場が米軍三沢基地となったことで、産業は大きく変貌していった。

 現在、三沢市の人口は約4万人。外国人が約8,000人住んでいることから、市内には英語表記の看板や外国人スタッフのいる飲食店が多く点在する。また、アメリカンデーや三沢基地航空祭などの日米交流イベントが開催され、国際都市らしく異国情緒が漂う。

 木滝さんは豊かな自然に恵まれ、アメリカンな雰囲気が漂う三沢市に魅力を感じ、2010年末に茨城県鹿嶋市から移住してきた。季節雇用の仕事など職を変えながら4年が経過したころ、市観光協会がカヤック体験を提供する施設「小川原湖カヤックラボ」の設立に携わった。そのスタッフとして木滝さんに声がかかり、2015年5月からカヤックのインストラクターとして勤務するようになった。

 カヤック体験には県内各地から観光客が訪れ、中には初めて三沢市に来た人もいた。木滝さんはその人たちに市内のおすすめスポットを聞かれると、友人たちと飲みに行っていた夜のアメリカンバーをよくおすすめしていた。

木滝:皆さん興味はあるようですが、「行く勇気がない」「ドルか円かどっちで払えばいいのか分からない」「英語が話せないと困るよね」などの声が多く、不安を解消できないものかと考えるようになりました。  

 ちょうどそのころ、三沢市は新しいまち歩き団体の立ち上げに向けて動き出していた。木滝さんは、夜のアメリカンバーなどを案内するまち歩きを公式ツアーに加えてもらおうと提案するが、飲み屋巡りという内容が受け入れてもらえなかった。

木滝:バーに飲みに出ている人たちは、基本的にフレンドリーな性格なので、単語やジェスチャーだけで会話ができますし、一度行けばはまるはずと思っていました。自分が楽しいと思うことは人にも勧めたいという思いから、夜のまち歩き団体「Misawa Night Hoppers」を4人で2015年12月に立ち上げました。

その扉一緒に開けます! 三沢のアメリカンバーを案内する「Misawa Night Hoppers」
左前方からDODOさん、左後方がKOTOBUKIさん、右前方がNAOさん、右後方が贋田智嵩さんの4人が立ち上げたメンバー。現在はKAZUNEさん(中央)がメンバーに加わり、5名で活動

Win-Win-Winとなる料金システムをリサーチ

 立ち上げ後、木滝さんは、どういうツアーにすれば、バーに負担がなく、客も楽しめてMisawa Night Hoppersも収益を得られるかを模索していた。そこで、以前、三沢市が企画・販売した「アメリカンバーのツアーチケット」について、バーの反応を知れば解決策が見えてくるかもしれないと考え、リサーチしに行った。

木滝:このツアーチケットでは3枚つづりの券を購入すると、アメリカンバーを巡りながら、3杯までドリンクを注文することができました。しかしバーの側は、ツアーチケットを受け取って、ドリンクを提供するだけで、すぐにお酒の仕入れ資金にならなかったことが不評だったようです。

 また、ツアーチケットの販売価格は飲み代に広告費を加えた1,700円。1杯500円のウーロンハイを好んで注文する木滝さんの場合は、3杯で1,500円となるので損をする。購入者とバーの意見から、まち歩きツアーの料金システムには、注文した酒の種類によって損得が発生するチケット制ではなく、アメリカンバーで一般的な「キャッシュオンデリバリー」を採用し、テーブル会計を三沢ならではの体験として楽しんでもらおうと考えた。

 キャッシュオンデリバリーとは、飲み物や食べ物などが出てきたら、その場で現金を渡すという仕組みである。客は注文分だけの支払いで済むし、バーには負担がかからない。Misawa Night Hoppersは利用者からガイド料金1,000円(現在は1,500円)をもらえば利益となる。3者がWin-Win-Winとなる料金システムが決定した。

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バーに入り、席に座ってから注文。商品が出たら、その場で支払うスタイルをガイドが教えてくれる

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