観光業界の最前線を反映、ツーリズムEXPOジャパン2016

2016.11.18

9月22日(木・祝)から9月25日(日)まで「ツーリズムEXPOジャパン2016」が開かれた。今年のテーマは「旅は変える。人生を。世界を。」さまざまな企画を通し、観光業界の最前線や今後に向けた視点が提示された。来場者数は4日間合計で過去最高の185,844人を記録した。

2-6%e5%86%99%e7%9c%9f1-3東京ビッグサイトの展示会会場

 ツーリズムEXPOジャパンは、海外旅行・訪日旅行および国内旅行振興のために、「観光」をキーワードに、多くの産業と地域の魅力を一同に集結する、世界最大級の旅の総合イベントである。日本観光振興協会と日本旅行業協会が主催し、今年で3回目を迎えた。その主要事業は、ツーリズムEXPOジャパンフォーラム、商談会、展示会、顕彰事業「ジャパン・ツーリズム・アワード」、JAPAN NIGHTの五つである。

ツーリズムEXPOジャパン2016 開催概要
主催:公益社団法人日本観光振興協会、一般社団法人日本旅行業協会(JATA)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟・会議棟、ベルサール東京日本橋、日本橋屋外エリア
開催日:2016年9月22日(木・祝)~25日(日)4日間
    【業界日】9月22日(木・祝)~23日(金)※業界関係者およびプレスのみ入場
    【一般日】9月24日(土)~25日(日)

観光業界の最前線を知る

 初日にはベルサール日本橋にて開会式、第2回「ジャパン・ツーリズム・アワード」表彰式、グローバル観光フォーラムが行われた。
 第2回「ジャパン・ツーリズム・アワード」表彰式では、前回を大きく上回る158件の応募の中から、大賞に飛騨高山国際誘客協議会「官民協働での外国人観光客の誘致・受入」が選ばれた。国内・訪日領域の領域優秀賞は、「世界初!視覚障がい者夢の自動車運転体験ツアーの実現」(クラブツーリズム株式会社)、「沖縄県めんそ~れ~沖縄観光学習教材」(一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー)が受賞した。

2-6%e5%86%99%e7%9c%9f11-3第2回「ジャパン・ツーリズム・アワード」表彰式

 「グローバル観光フォーラム」のテーマは「輝き続ける日本、そして世界―インバウンド4000万人時代の交流大国を目指して」。持続可能な成長を実現するために、受け地でいかに調和のとれた開発を進めるかが、世界の共通課題となっている。

 まず国連世界観光機関(UNWTO)事務局長のタレブ・リファイ氏の基調講演では、観光の発展に伴い社会に貢献する重要性が述べられた。特にアクセシビリティの問題については、誰でも何らかの障害を持っており、その解決を拒否することは倫理的にもビジネス的にも間違っていると語り、持続可能な成長の鍵になることが指摘された。
 次に、世界旅行観光協議会(WTTC)最高経営責任者のデイビッド・スコースィル氏の基調講演では、ツーリズムは平和に貢献できると述べた上で、国境の安全を確保しながらいかに旅行者には開かれた国境を実現するかという課題が指摘された。また、人材育成や都市の宿泊施設不足、地方への観光客誘導などの問題提起もあった。

  続く基調シンポジウムでは、首都大学東京特任教授の本保芳明氏をモデレーターに、パネリストとして基調講演者二人と、エティハド航空副社長のヴィジャイ・プーヌーサミー氏、フランス観光開発機構ジェネラル・マネージャーのクリスチャン・マンティ氏、日本旅行業協会田川博己会長が登壇し、観光地開発に求められる成長戦略について議論した。

2-6%e5%86%99%e7%9c%9f13-2左からタレブ・リファイ氏、クリスチャン・マンティ氏、デイビッド・スコースィル氏、ヴィジャイ・プーヌーサミー氏、田川博己氏、本保芳明氏

 プーヌーサミー氏は、航空と観光業界との間に、両者にとって有益なパートナーシップを築く重要性を指摘した。マンテイ氏は、テロの後のフランスの安全対策を紹介し、それなしに持続的な成長はあり得ないと述べた。田川氏はDMOの役割の重要性を指摘し、海外の先進地に学ぶ人材育成なども提案した。

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国内商談会

 一方東京ビッグサイトでは、初日から商談会が行われた。アウトバウンド商談会にはセラー295社とバイヤー127社、国内商談会にはセラー140社とバイヤー56社、メディアミーティングには68社が参加した。また日本政府観光局主催の「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート2016」も同時開催された。

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